保護者面会は児相職員同席で 乳児院の殺人事件受けこども家庭庁通知

佐賀市の乳児院で職員が切りつけられて死亡した事件を受け、こども家庭庁が一時保護中の子どもと保護者が面会する際、児童相談所職員が同席することなどの対応をとるよう、全国の自治体宛てに通知を出していたことがわかった。 通知は6日付。事件は5月31日に佐賀市の乳児院で発生。乳児院で一時保護されていた子どもの20代の母親=殺人と銃刀法違反容疑で佐賀地検に送検=が、施設の女性職員(55)の腕を切りつけるなどして現行犯逮捕された。佐賀県によると、母親は事件の約2週間前に児相を訪れて子どもを返すよう要求し、消毒用アルコールを口に含むなどの自傷行為に及んでいた。 通知は一時保護中の保護者対応について、担当の児童福祉司を通じて連絡をとることや、子どもと保護者の面会にあたっては、突発的事態に備えて必ず児相職員が同席することなどを盛り込んだ。 子どもの保護先については保護者に伝えた後でも、強引な引き取りの可能性があれば場所を変更し、非開示にすることも検討するとしている。 児童福祉施設に対しては、保護者が直接連絡してきた場合には児相に連絡するよう伝えることや、児相からの情報提供を待つだけなく自ら情報収集をすることなども示した。 通知は、国の「子ども虐待対応の手引き」などに盛り込まれている対応方法の内容から、事件の内容に即して重要な部分を改めて示した。(榎本瑞希)

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