トランプ氏「反乱法」発動ちらつかせ 海兵隊700人がLA現地入り

トランプ米大統領は10日、西部カリフォルニア州ロサンゼルスへの州兵動員について「危険がなくなるまで」継続すると述べた。不法移民取り締まりに反対する抗議デモへの対応として、必要と判断すれば「間違いなく反乱法を発動する」と強調した。ホワイトハウスで記者団に語った。 ロサンゼルスでは6日から抗議デモが続いており、トランプ氏は4000人規模の州兵の動員に加え、米軍の海兵隊員の派遣も命じた。米メディアによると、約700人の海兵隊員が10日に現地入りした。 1807年制定の「反乱法」は、通常は海外で任務を遂行する米軍を、国内の暴動などに例外的に投入することを認める。今回ロサンゼルスに派遣された海兵隊は、連邦政府の施設や職員を守る州兵を支援する役割を担うが、反乱法を発動すれば、より広範な展開が可能になる。 ヘグセス国防長官は「警察を襲う暴徒や略奪者に対し、我々はどこにも行かないと知らしめる必要がある」と述べ、州兵などの活動期間の目安を60日程度と説明した。国防総省は、一連の対応の費用を1億3400万ドル程度(約190億円)と見積もっている。 一方、カリフォルニア州は10日、ロサンゼルスでの州兵と海兵隊の活動について、一時的な差し止め命令を出すよう連邦裁判所に申し立てた。州知事の要請なしに州兵が国内の治安任務に就いたのは、60年ぶりだった。 ロサンゼルス市警は、抗議デモに絡んで9日夜に100人以上を逮捕したと発表した。バス市長は10日、破壊行為などが続いた場合には夜間外出禁止令の発令を検討する考えを示した。連邦政府の介入に批判的なバス氏は「トランプ(大統領)は危機を引き取ったのではなく、彼が危機を作り出したのだ」と非難した。【ニューヨーク八田浩輔】

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