有料老人ホームの入所者3人をマンション一室に閉じ込めたとして、兵庫県警尼崎北署は11日、監禁の疑いで、運営会社の「マーテル」(同県尼崎市)の代表取締役の女(61)=尼崎市=を逮捕した。 逮捕容疑は4月16日午後4時10分過ぎ~同18日午後7時40分ごろ、同市大西町3のマンション一室で、玄関内に設置した扉を施錠し、部屋にいた老人ホーム利用者の79~90歳の女性3人を無断で外出できないよう閉じ込めた疑い。 同署によると、現場の部屋は女が所有する一室で、玄関と居室の間に木製扉が後付けで設置されていた。扉は玄関側の3カ所に錠前が取り付けられており、居室側からは解錠できない仕様となっていた。 女は同署の調べに「監禁状態だったことは間違いない」と容疑を認める一方、「安全性を考えて鍵をかけることを従業員に指示した」などと話しているという。同署は会社の運営施設ではなく、個人名義の部屋に3人を閉じ込めた経緯などを調べる。 同18日午後7時半ごろ、近隣住民から「高齢女性の『助けてください』という声が聞こえる」と110番があった。尼崎北署員がマンションを確認したところ、現場の部屋から女性の声が聞こえたため中に入り、3人を保護した。 部屋はワンルームでベッドが3台置かれていた。警察官が保護した際、3人に衰弱した様子やけがはなかった。3人とも認知症の症状がみられるという。従業員が食事を運び入れている形跡はあったという。 マーテル側は神戸新聞の取材に「どう対応すればいいのか分からず何も言えない」などと話した。