ミシュランガイド掲載の日本料理店の代表らが、営業停止処分中にウイルスに汚染された弁当を販売したとして逮捕されました。 的井文謙 記者 「北野博一容疑者を乗せた車が、河内長野署に入ります」 16日逮捕されたのは、大阪府河内長野市にある「日本料理 喜一」の代表、北野博一容疑者（69）と、長男で店長の博稔（ひろとし）容疑者（41）、そして、妻で女将の経子（のりこ）容疑者（68）です。 喜一はミシュランガイドに掲載されたこともある有名店。その代表らにかけられた容疑は「食の安全軽視」ともいえるものでした。 捜査関係者によりますと、北野容疑者らは今年2月、食中毒で営業停止処分を受けていたにもかかわらず、仕出し弁当11個を調理して販売するなどした疑いがもたれています。 有名店で起きた事件に地元の人は―。 地元の人 「この辺ではすごい老舗な有名なところだったので、びっくりしました」 「子どものお食い初めで使わせていただきました。いいところで食べようかという時に、よく使わせてもらいました。残念ですね」 「お父さんが京都でだいぶ修業していて、一生懸命やっていたので、なんで（事件に）なったのかな」 喜一をめぐっては、今年に入り食中毒の被害が相次いでいました。 今年2月上旬、利用した客43人が食中毒を発症し、2月15日と16日の2日間、保健所から営業停止処分を受けました。 そうした中、喜一は16日に仕出し弁当を販売した疑いがもたれていて、数人の客が食中毒を発症し、ノロウイルスが検出されたということです。 さらに、営業停止処分が明けた直後の22日～24日に再び客35人が集団食中毒を起こし、3月2日から2週間程度の営業禁止処分となっていました。 博一容疑者は12年前、大阪府のホームページに掲載された記事で料理について語っていました。 北野博一容疑者 「僕は料理には食材が一番大事だと思っているんです」 「自分の仕事を通じて大阪産の野菜をアピールして陰で農家の人たちを支えられれば」 地元の食材に強い思い入れがあった博一容疑者。 警察の調べに対し、「調理した仕出し弁当11個を販売した。ノロウイルスの危険性や認識が甘かった」などと容疑を認めているということです。 また販売したいきさつについては。 北野博一容疑者 （逮捕前の任意の調べに）「注文を断れなかった」 警察は店内の衛生管理の状況などを詳しく調べています。