イスラエルがイランを攻撃することになった背景をめぐり、核に関連した「決定的な情報報告」があったという報道があった。13日、イスラエル情報当局は「イランが核兵器開発で『不可逆的な地点』に到達したという機密情報を入手した」と主張した。これに関しエコノミストは18日(現地時間)、取材源から関連情報を入手したとし、「この情報報告がイスラエルの攻撃を触発した決定的な契機になった」と伝えた。 まず、イスラエル側はイランの科学者が濃縮状態が不明な核物質を大量に隠しておいたという情報を受けた。これは国際原子力機関(IAEA)の最新評価にはなかった内容だ。これに先立ちIAEAは9日、イランが60%に濃縮されたウランを400キロ以上保有していると評価した。これは過去3カ月間に50%も増えた数値だった。BBCは「400キロは武器級に近い数値であり、追加で精製すれば核兵器10個を作ることができる量」と指摘した。ところがイスラエルが収集した情報によると、このように伝えられた量の他にも追加で核物質が存在する可能性があるという。 2つ目、弾道ミサイル戦力の責任を担うイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)空軍と科学者の会議開催が迫っているという諜報だった。エコノミストは「これは核弾頭とミサイルの『結合』が近く始まるということを示唆するものだった」と伝えた。 イスラエルの立場ではこうした会議が「(渡ってはいけない)ルビコン川のように重要だった」という。またイスラエル側は6年前にイランの核科学者が秘密裏に「特別進展グループ」を結成したという事実もすでに把握していた。このグループはイランの秘密核爆弾製造計画「AMAD(2003年に解体)」を率いたモフセン・ファフリザーデ氏(2020年暗殺)が後援して結成したものだった。イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が爆弾開発を急ぐことを決める場合、準備に拍車を加えるのが同グループの任務だった。「イラン核兵器の父」と呼ばれたファフリザーデ氏の後を継ぐ核科学者らが核開発「速度戦」をすでに準備していたということだ。 ◆「トランプ大統領、イスラエルを信じて米情報機関には懐疑的」 エコノミストはイスラエルが入手した新しい情報がトランプ米大統領に大きな影響を及ぼしたと指摘した。米情報機関はイスラエルの主張に懐疑的だったが、むしろトランプ大統領はイスラエル側の情報を信じ、自国の情報機関の判断に不信感を表したということだ。 イランとの戦争に反対してきたトゥルシー・ギャバード米国家情報長官は3月、議会で「情報当局はイランが核弾頭を開発中と判断していない」と証言した。 しかしトランプ大統領は17日、取材陣からイランの核兵器保有の可能性に関する質問を受けると「非常に高い」と答えた。ギャバード長官の議会での証言に言及されると、トランプ大統領は「ギャバードが何と言おうと関係ない。私は彼らがほぼ(核兵器を)完成していたと考える」と一蹴した。 ◆モサドのスパイ探しを始めたイラン こうした状況でイスラエル軍はイラン住民に「モサドに連絡するべき」というメッセージを出すなど心理戦を強化している。18日、イスラエル軍はSNSを通じて「イラン政権が作り出した厳しい状況を考慮すると、イラン人の皆さんが直面している苦境がよく分かる」とし「政権の保安機関所属と明らかにした人たちさえもイランで生じていることに恐怖と絶望、怒りを表出し、『イランがレバノンやガザ地区のような運命をたどらないでほしい』と要請している」と主張した。また、モサドのホームページアドレスを紹介しながら「注意をして外部VPN(仮想プライベートネットワーク)を通じて連絡してほしい」と強調した。 イラン側はモサドに抱き込まれたスパイ探しに血眼だ。この日、イラン半国営メフル通信は「モサド側のスパイ5人がIRGCに逮捕された」と伝えた。ワシントンポストは、イスラエルが13日にイランを電撃空襲して核施設を打撃し、主要核科学者を標的殺害する過程で、モサドの緻密な準備が寄与したと伝えた。