パナマ、ボカスデルトロ州に非常事態宣言 年金改革デモ激化

【AFP=時事】中米パナマは20日、同国西部ボカスデルトロ州に非常事態を宣言した。反政府デモ参加者が野球場に放火し、空港を含む事業所を略奪したとしている。 バナナの主要産地ボカスデルトロ州で2か月前に始まった抗議デモは今週激化し、警察との衝突に発展。警察によると、1人が死亡し、警官数人を含む約30人が負傷した。騒乱での逮捕者は50人を超えている。 フアン・カルロス・オリラック大統領府相は、「平和と秩序を回復するため」、政府はボカスデルトロ州全域で非常事態を宣言し、憲法上の保障を一時停止する決定を下したと表明した。 右派のホセ・ラウル・ムリーノ大統領をめぐっては、ここ数か月で複数の抗議運動が起きている。 ボカスデルトロ州にある米国のバナナ大手、チキータ・ブランド工場の労働者は、4月に議会で可決された年金改革について、働く期間の延長を余儀なくされるとして、4月下旬にストライキを開始。 チキータ側は、ストライキを理由に数千人を解雇した。 バナナ生産者組合は先週、解雇を撤回させるために抗議活動を中止したが、他のグループは依然として抗議を続行していた。 ムリーノ大統領に関しては、4月に米国のドナルド・トランプ大統領に譲歩し、パナマ運河沿いのパナマ基地への米軍駐留を認める協定を締結したことについても、国民の間からは抗議の声が上がっている。 また、ムリーノ氏が中米最大の銅山の一つを再開する考えを示しているため、環境保護活動家も非難している。【翻訳編集】 AFPBB News

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加