「ただ脅かすつもりだった」―身勝手な怒りに任せて放たれた一発の銃弾が、幼い命を奪った。北東部セルジッペ州アレイア・ブランカ市で、家族連れの車に追い越されたことに腹を立てた男が発砲し、生後1年11カ月の女児が銃撃を受けて死亡する事件が発生したと24日付G1などが報じた。 容疑者は無免許の上、銃器所持許可も持たず、酒に酔った状態で犯行に及んだとみられている。事件後に逃走していたが、自宅で身柄を確保された。 事件は24日早朝、6月の伝統祭「フェスタ・ジュニーナ」からの帰途にあった一家の乗用車が、アレックス・デ・オリヴェイラ・ヌネス容疑者(28歳)の運転するピックアップトラックに対し、道を譲るようクラクションを鳴らしたことが発端。 ヌネス容疑者は一旦進路を譲ったものの、直後に一家の車を追跡し発砲。銃弾は後部座席で母親の膝に座っていたライラ・ソフィア・メネゼスちゃんの頭部に命中し、病院に緊急搬送後、間もなく息を引き取った。 犯行後、ヌネス容疑者は現場から逃走したが、同日午前9時頃、自宅で逮捕された。同州公安局によると、容疑者は犯行を認め、「運転手を脅すために発砲しただけで、人を殺す意図はなかった。車内に子供が乗っていたことは知らなかった」と供述している。事件で使用された車両と銃器は、すでに押収されている。 ヌネス容疑者は、2023年に同市内で発生した殺人未遂事件でも捜査対象となっており、今回の取調べ中に犯行を自白した。その際も酒に酔い、口論となった男性に向けて発砲したという。 ライラちゃんは26日に2歳の誕生日を迎えるはずだった。母親ヴァレリアさんは、「まさかこんなことが起きるなんて。私たちは誰かに恨まれるようなことも、争いごとに巻き込まれたこともありません。まったく理由のわからない、信じ難い出来事です」と辛い胸の内を明かした。