【香港共同】香港の民主派政党、社会民主連線(社民連)の陳宝瑩主席が29日に記者会見し、社民連が解散を決めたと明らかにした。別の民主派政党も解散手続きを進めると決定しており、近く香港から民主派政党が消滅する見通しとなった。民主派排除を目的とした香港国家安全維持法(国安法)が施行されて30日で5年。当局が圧力を強めていた。 民主派勢力は中心的な人物が逮捕されて力を失っていた。政党が消えることで民主派の声が議会に届かなくなる。 陳氏は29日「強い政治的な圧力で解散に追い込まれた」と語った。社民連は香港で事実上二つだけ残っていた民主派政党の一つ。国安法施行後も政府庁舎前で数人での抗議活動を行ってきた。社民連の関係者によると、今年に入り3回、香港当局との仲介役の人物から7月1日までに解散するよう求められた。解散しない場合は深刻な結果を招くと警告された。 社民連は2006年設立で、立法会(議会)の議席を獲得したこともある。元主席の梁国雄氏は立法会選の予備選実施に絡み、国安法違反の罪で実刑判決を受け服役中。