「脅威のうっちゃり」鈴木宗男氏、政界引退宣言後の滑り込み当確は「3度目の奇跡」

20日投開票の参院選で23年ぶりに復党した自民党から比例代表で出馬、最後の当選者として滑り込んだ鈴木宗男氏(77)が21日午後、札幌市内で記者会見し、約8時間前に表明した「政界引退」の意向を撤回した。劇的な結果に終わった選挙戦を改めて振り返り、「私にとっては3度目の奇跡」と手放しで喜んだ。 同市中央区にある事務所には、支援者ら約20人が集まった。正午すぎには正式に当選確実の一報がスタッフにも伝えられ、大きな歓声が沸き上がった。鈴木氏は約10分後、自民党衆院議員で長女の貴子氏とともに姿を現し、支援者らと喜びを分かち合った。 鈴木氏は「目に見えない力によって生かされ、また国政に戻ることができた」と表現。「1度目は昭和58年の初当選。2度目は(あっせん収賄事件で)逮捕から国政復帰を果たした平成17年。そして今回、奇跡はこれで3度目だ」と言葉を詰まらせた。 復党した自民党が大きく議席を減らす中、一度は政界引退の意向を公言し、議員活動に終止符を打つはずだった。だが、事務所に戻り、貴子氏からお守りをもらうと「そこから急に運気が上がった」との逸話を明かし、ワイシャツの胸ポケットにしまった娘のお守りに何度も手を当てた。 支援者からは「脅威のうっちゃり」と土壇場での議席獲得をたたえる声が上がり、鈴木氏も照れくさそうな表情を浮かべ、深々と頭を下げた。「選挙結果は与党にとって厳しい結果となったが、自民党を立て直すと言い放った以上、生涯政治家として、またしっかり働きたい」と力を込めた。

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