仁川市松島(インチョンシ・ソンド)で自作の銃器で息子を殺害した60代男性の犯行動機は、家庭の不和だったことが分かった。 仁川の延寿(ヨンジュ)警察署のパク・サンジン署長は21日午後、仁川の銃器発砲事件の中間調査結果を発表するブリーフィングで、「容疑者を取り調べたところ、犯行動機は家族間の不和。ただし詳しい供述は避けている」と述べた。60代の男性A氏は20日午後9時31分ごろに、30代の息子Bさんを自作の銃器で殺害した疑いが持たれている。警察は犯行から2時間40分あまりたった21日0時15分ごろ、ソウル方背洞(パンべドン)でA氏を殺人などの疑いで緊急逮捕した。事件当時、現場にはA氏の誕生パーティーのためにA氏と息子のBさん夫妻、Bさんの2人の子ども、Bさん夫婦の知人の6人がいたという。A氏は20年前に妻と離婚しているという。 A氏は犯行直前、ちょっと外に行ってくると言った後、あらかじめレンタカーに載せてあったパイプ型の自作の銃器を取ってきて犯行に及んだことが把握された。警察によると、A氏は犯行で計3回発砲したが、うち2発がBさんに当たり、残りの1発はドアに当たったという。警察は「犯行はBさんの2人の子どもの眼前で行われた。当時、A氏は飲酒しておらず、簡易麻薬類検査でも陰性だった」と語った。 A氏が使用した自作銃器は、12ゲージ(口径18.5ミリ)の散弾銃の弾が入るパイプに撃発装置が装着されたもの。火薬はなく、撃発装置が弾に物理的衝撃を与え、弾そのものの火薬が爆発して発射される方式だ。散弾銃の弾にはBB弾大の12個の鉄の玉が入っていた。A氏はパイプを購入し、工作所でそれを切断して銃身を作製。作製方法はユーチューブで学んだと取り調べで供述している。 A氏は自宅からパイプ製の13丁の銃身を持ってきていたことから、計画犯罪だった可能性もある。このうち2丁は犯行現場で発見されており、11丁は車の中から発見された。11丁の銃身のうち10丁は弾丸が装填された状態だったという。車から発見された弾は86発にのぼった。A氏はこれらの弾を、20年あまり前に狩猟用の弾を販売しているという人物から購入したという。A氏は銃砲所持許可証も持っていなかった。 A氏が犯行直前にソウル道峰区双門洞(トボング・サンムンドン)の自宅に引火性物質を設置していたことも、調査で分かった。引火性物質は15本のペットボトルに小分けにされ、自宅のあちこちに設置された状態だったという。この物質には21日正午に爆発するよう、タイマーも取り付けられていた。A氏は警察の取り調べで「家には二度と戻らないつもりで引火性物質を仕掛けた。昼12時に定めたのは住民の被害を最小化するため」という趣旨のことを語っているという。 一方、警察は最初の通報から約1時間30分後の午後11時ごろに犯行現場入りしていたことも把握された。それまで、Bさんは現場に放置されていたわけだ。このことについて警察は「犯行直後、Bさんの家族は奥の部屋に避難した状態で、A氏がまだ家にいるという趣旨の通報が入った。性急に現場入りして銃撃戦が発生するより、警察特攻隊を待ってから入った方がよいと判断した」と説明した。警察特攻隊は午後10時16分ごろに到着したが、内部へ進入したのは27分後の午後10時43分ごろだった。しかしA氏は犯行直後、現場を立ち去っていた。 警察は殺人、現住建造物放火未遂容疑などでA氏の拘束令状を請求。また、プロファイラーを投入してA氏の心理分析を行う計画だ。Bさんの遺体解剖も依頼することにしている。 イ・スンウク、コ・ナリン記者 (お問い合わせ [email protected] )