3万6000円の「大麻成分リキッド」で若者の命は奪われた…“集団リンチ”事件のきっかけ「大麻類似成分」薬物、横行する脱法行為に「規制してもいたちごっこ」研究者が警鐘【THCH、THCB】

2023年、高知で、若者による“集団リンチ”で1人が死亡する凄惨な事件が起こりました。その引き金となったのは「大麻類似成分」を含む薬物。若者の間で人気だという「大麻に似た成分」とは、どのようなものなのでしょうか?その危険性や、トラブルに巻き込まれないための注意点などを、研究者に取材しました。 ■「3万6000円」の“リキッド”めぐってトラブル、集団リンチ事件へ 「主文、被告人を懲役8年に処する」 3月、高知地方裁判所の法廷内に、裁判長の声が響きました。審理が行われていたのは、2023年9月、20代の男5人が高知市の山中で男性2人に集団で暴行を加えた事件で、1人は鼻骨骨折や打撲など全治4週間のケガをし、もう1人は外傷性ショックにより死亡しました。 5人の男には、それぞれ「懲役8年」や「懲役8年6か月」の有罪判決が言い渡されました。 5人の男たちが、人気のない山中で男性2人に対し、用意した安全靴を使って蹴ったり、バンテージを使って殴ったりと、一方的に暴行を加え続けた事件。そのきっかけとなったのは、「大麻類似成分の薬物」の取引をめぐるトラブルでした。 裁判によりますと、事件前、暴行を受けた2人は男たちに「大麻類似成分を含むリキッド状の薬物」の購入を申し込みますが、男たちに現金の入っていない封筒を差し出して“リキッド”をひったくり、原付バイクに乗って逃走しました。 しかし、暴行を加えられた男性は現場に財布を落としていて、男たちはその後、財布に入っていた免許証などから男性の名前を知り、“制裁”を加えようと捜索を始めました。そして2人を呼び出して暴行を一方的に加え、1人に大けがを、そしてもう1人を死亡させるに至ったのです。“リキッド”の取引価格は「3万6000円」だったといいます。 判決後、取材に応じた裁判員の男性は「たかが3万6000円の“リキッド”がきっかけになっている…というのがびっくりした」と言葉を漏らしました。

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