【08月17日 KOREA WAVE】韓国で虚偽の112(日本の110番)通報を根絶する目的で施行された「112通報処理法」が2年目を迎えたが、虚偽通報の件数はむしろ増加している。警察力の浪費が深刻化する中、損害賠償請求の導入など、さらなる処罰強化を求める声が出ているが、専門家は「まず現行法に基づく積極的な刑事処罰が優先」と指摘する。 警察庁によると、虚偽の112通報件数は2020年4063件、2021年4153件、2022年4235件、2023年5155件、2024年5434件と年々増加傾向にある。法律施行初年の昨年も減少には至らなかった。 112通報処理法は、虚偽通報者に最大500万ウォンの過料を科すことを柱とする。それ以前は、虚偽通報は公務執行妨害罪(5年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金)や虚偽申告罪(10万ウォン以下の罰金)でのみ処罰可能だった。 それでも虚偽通報は後を絶たない。今年6月、慶尚南道居昌では50代男性が計363回の虚偽通報を繰り返し逮捕され、先月には慶尚南道金海で60代男性が114回の虚偽通報で逮捕された。 ソウルのある交番警察官は「現場感覚では減るどころか増えている。急行しても誰もいなかったり、虚偽と判明すると精神的・肉体的疲労が大きい。逮捕しても大半は即決処分(罰金)で終わる」と語った。 専門家は、まず現行法の厳格適用が必要だと口をそろえる。虚偽通報は刑法上懲役刑が可能だが、実際には軽微な罰金刑にとどまる例が7割に上るという。 東国大学警察行政学科のイ・ユンホ教授は「『けが人も財物損壊もないから罰金で済ませよう』という認識が広がっており、虚偽通報をしても大した処罰を受けないと考えられている。積極的に刑事処罰し、深刻な犯罪であるという認識を浸透させるべきだ」と強調した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News