かけ子実績、個別に管理か 一日中電話、反省会も カンボジア拠点詐欺

カンボジア北西部の町ポイペトを拠点とした特殊詐欺事件で、詐欺グループの上層部が、詐欺未遂容疑で逮捕された日本人に一日中電話させ、実績を個別に管理していたことが22日、愛知県警への取材で分かった。 反省会もさせていたといい、県警は「かけ子」を互いに競わせるなどして詐欺の成功率を上げようとしていたとみて調べている。 大坪裕介容疑者(35)ら19~52歳の男女29人は、警察官などを装って日本に電話し、現金をだまし取ろうとした疑いが持たれている。5月27日に現地警察に摘発され、今月20日に日本へ移送、逮捕された。 県警によると、拠点は中国人が管理し、かけ子の外出を制限した上で、起床や消灯時間を定めていた。かけ子はマニュアルを暗記し、朝から晩まで日本へ電話。仕事が終わると、録音した通話内容などを基に反省会を開催していた。 「金が稼げる」と誘われて渡航した容疑者もいたが、逮捕時の所持金はほとんどなく、多い者でも約2700円だった。 拠点では、スマートフォン84台や警察官の制服などが押収された。スマホには反省会のやりとりや個別の実績が記された写真データも保存されており、県警が解析している。

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