神戸市中央区のマンションで女性会社員(24)が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された谷本将志容疑者(35)が、神戸市内の別の女性のオートロック式のマンションに侵入し、女性の首を絞めるなどした3年前の傷害事件で、神戸地裁は「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」と言及していたことがわかった。一方で、犯行を認めて反省の態度を示しているとして、執行猶予のついた判決を言い渡していた。 当時の起訴状などによると谷本容疑者は令和4年1月1日から16日までの間に神戸市内の女性のマンションにこの女性がオートロックを解除して入るのに合わせて侵入し、エレベーター内で女性を撮影するなどしてつきまとうなどのストーカー行為を行ったとしている。また、同年5月27日午後7時50分ごろにはこの女性の部屋に入り首を絞めるなどして全治3週間のけがをさせたなどとしている。 同年9月の神戸地裁での判決理由で、安西二郎裁判官は、「相当悪質な事案」と認定。被害者は死の恐怖に直面しており、被害後も続く不安・恐怖を含めた心身の苦痛は大きいとした。また、事件翌日に「謝って許してもらいたいと考え、被害者方へ向かおうとした経緯からしても思考のゆがみは顕著」として、「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」と言及した。 一方で、被害者が重傷には至らず、反省しているなどとして、刑の執行を猶予した。 谷本容疑者は今回の事件でも被害女性の勤務先の会社付近を、退勤前からうろついていたことがわかっている。谷本容疑者は被害者について「全く知らない人です」と供述。事件の3日前から被害者の勤務先のすぐ近くのホテルに宿泊しており、兵庫県警は襲撃する女性を物色していた疑いもあるとみて、犯行前の足取りや計画性を詳しく調べる。