特殊詐欺被害、過去最悪に 「ニセ警察」急増、7カ月で 警察庁

警察庁は1日、7月末時点の特殊詐欺被害額が全国で約722億円に達し、過去最悪だった2024年の年間被害額を上回ったと発表した。 警察官に成り済まして送金させる「ニセ警察詐欺」が3分の2を占め、特に20~30代の被害が増えているという。 警察庁によると、1~7月の特殊詐欺認知件数は前年同期比44.9%増の1万5583件。被害額は722億1000万円と、昨年の総額(718億8000万円)を7カ月で超えた。うちニセ警察詐欺の被害は3分の2に当たる481億9000万円だった。若い世代も被害に遭っており、20代と30代で認知件数の4割近くを占めた。 ニセ警察詐欺では、マネーロンダリング(資金洗浄)などの捜査と偽って「逮捕を免れるためには全財産を調べる必要がある」とだまし、インターネットなどを通じて資産を根こそぎ送金させる。このため被害が高額になる傾向が強い。 愛知県警がカンボジアから移送した日本人29人を詐欺未遂容疑で逮捕したケースなど、詐欺グループの多くが海外を拠点としている。ほとんどが国際電話の着信後にSNSのやりとりに誘導されており、警察庁は対策として国際電話の着信を規制するアプリなどの利用を呼び掛けている。

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