事件から一夜が明けた東京・世田谷の現場です。 花と飲み物が手向けられていました。 1日午後、韓国籍のバン・ジ・ウォンさん(40)が、首を刃物のようなもので切り付けられ殺害された事件。 現場近くに設置されている防犯カメラの事件発生直後の映像を見ると、上下とも黒っぽい服を着た容疑者とみられる男が、駅に向かって走る姿が捉えられていました。 その後、男は羽田空港で身柄を拘束されましたが、その際も現場で目撃された時と同じ黒いTシャツと黒っぽいズボン姿でした。 殺人の疑いで逮捕されたのは、韓国在住のパク・ヨンジュン容疑者(30)。 2024年10月にバンさんと日本語の学習アプリを通じて知り合い、2025年4月から交際していたといいます。 パク容疑者は8月23日に来日し、港区内のバンさんの自宅に滞在していました。 しかし8月29日、バンさんは自宅近くの交番にパク容疑者との交際トラブルについて「別れ話をしたら暴力を振るわれた」と相談していました。 警視庁は2人から話を聴き、パク容疑者を口頭で注意した上で帰国を促したといいます。 パク容疑者は、バンさんと連絡を取り合わないとする上申書を提出したといいます。 ところが翌日の朝、パク容疑者が再びバンさんの自宅近くに現れたことから、警視庁が再度口頭で注意した上で成田空港まで送っていったということです。 その際、警察官はパク容疑者が保安検査場を通るところまで見届けていました。 この時パク容疑者は、飛行機には乗らなかったことになります。 そして一日置いた9月2日に事件は起きました。 防犯カメラの映像には、事件発生直後、現場に向かって走る警察官の姿が捉えられていました。 事件当時、バンさんと一緒にファッション関係の写真撮影をしていたというカメラマンも、当時の緊迫した状況を「2階にスタジオがあって、そこで(バンさんと)僕らは撮影していた。いきなり悲鳴が聞こえて1階は血の海になっていた」と語ります。 バンさんは休憩のため外に出た際に、待ち伏せをしていたパク容疑者に切り付けられたとみられています。 パク容疑者は、東急田園都市線の三軒茶屋駅から電車に乗り、渋谷駅で下車。 その後のルートは分かっていませんが、羽田空港第3ターミナルまで電車で移動したとみられています。 この時、パク容疑者は韓国行きの航空チケットを予約していました。 警視庁は出国の可能性があるとし、成田空港と羽田空港に捜査員を派遣したところ、午後5時前に出発ロビーの3階でパク容疑者を発見し、職務質問をしたということです。 その際、パク容疑者はバンさんについて「知っている人だけどきょうは会っていない」との説明をしたということです。 韓国に逃亡する直前に身柄を確保され、逮捕されたパク容疑者。 調べに対し、黙秘しているということです。