受験生死亡事故結審 懲役16年求刑 犠牲者の母親は「娘を殺されたと思っている」 被告は「一生をもって償いを…」 福島

今年1月、JR郡山駅前で受験生の女性が酒気帯び運転の車にはねられ亡くなった事故の裁判が10日に結審し、検察は懲役16年を求刑しました。10日の裁判では亡くなった女性の母親が法廷に立ち、大切な娘を突然奪われた悲しみや怒りを語りました。 「危険運転致死傷」などの罪に問われているのは、郡山市の無職・池田怜平被告(35)です。起訴状によりますと、池田被告は今年1月に酒を飲んだ状態で運転し、赤信号を殊更に無視した上、時速70キロメートルで交差点に進入し、横断歩道にいた2人を死傷させたとされていて、裁判では危険運転致死傷罪の成立が争われています。 10日の裁判では遺族が意見陳述し、亡くなった女性の母親が悲痛な思いを語りました。 「何を見ても何をしても、娘が生きていたらと考えてしまいます。赤信号を無視しているのに見落としてしまったなどと主張しているのが信じられません。このようなことをいまだに言っているのかと、悔しくてたまりません。私は池田被告に娘を殺されたと思っています。池田被告には最も重い罪を課していただきたいです」 検察は、「被告に反省の情は認められず、赤信号を簡単に確認できる状態にあったのに各信号機の表示に従う意図がなく、危険運転致死傷の中で罪が最も重い部類に属する」として、懲役16年を求刑しました。 一方、被告側の弁護人は「飲酒の影響で極めて注意力が散漫な状態で運転していたため、赤信号を見落としてしまったのであり、赤信号を殊更に無視したとは言えない」として、危険運転致死傷罪は成立しないと主張しました。 被告は「最後に何か言いたいことがありますか」と裁判長に問われると… 「逮捕されてから今まで被害者(裁判では実名)のことを忘れたことはありません。一生をもって償いをさせていただきたいです」 判決は、17日に言い渡されます。 この事故の後、飲酒運転の根絶を目指して福島県警では、女性が亡くなった月命日である毎月「22日」前後に飲酒運転の取り締まりや啓発活動を続けています。それでも、県内では飲酒運転での検挙が後を絶たないのが現状です。

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