仏各地で反政府デモ、20万人参加か 約500人を拘束

Michel Rose [パリ 10日 ロイター] – フランスで10日、ルコルニュ新首相が就任する中、各地で反政府デモが発生し、高速道路が封鎖され、バリケードが燃やされる事態となっている。全土での拘束者は計約500人に上った。マクロン大統領や緊縮予算案、政治家全体に対する幅広い不満が背景にある。 抗議デモは、「全てをブロックせよ」をスローガンにフランス全土に広がった。参加者は約20万人に上るとみられる。 当局は全国に8万人以上の治安要員を配置。警察との衝突により、パリでは約200人が拘束されたほか、全国で300人超が逮捕された。南部モンペリエでは、警察が群衆に向けて催涙ガスを発射した。ただ、多くの集会は平和的に行われたもよう。 南部マルセイユで抗議活動に参加していた労働組合員の男性は「怒りは何カ月も、何年も前から渦巻いていた」とし、「マクロン大統領の2期目で5人目の首相が誕生したが、何も変わっていない」と不満をあらわにした。 デモに参加した21歳の学生は、「若者こそが未来だ。旧世代は私たちにひどい世界、ひどい政府を残した。それを変えるために戦うのは、私たちの責任だ」と訴えた。 マクロン仏大統領は9日、ルコルニュ氏を新首相に指名。ルコルニュ氏は、政権交代式後の演説で、政府は野党との連携において「より創造的、時にはより実務的、より真剣」になる必要があるとしつつ、同時に「断絶が必要となるだろう」と述べた。

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