米国政府の不法滞在者取り締まりにより逮捕・拘禁された現代自動車とLGエナジーソリューションの合弁バッテリー工場の労働者300人がチャーター便で帰国する予定だ。だが工場稼動への影響は避けられず非常灯が点灯した。 LGエナジーソリューションによると、4日のバッテリー工場取り締まり後に出張者は急いで帰国した。追加取り締まりの懸念で新規派遣も止まった。駐在員ビザを持っている社員と現地スタッフが最小限の管理業務だけ継続する状況だ。 大規模派遣人材が長期間拘禁される最悪の状況はかろうじて防いだ。だが工場の正常稼働日程は不透明だ。この工場では当初、来年上半期から年間約3000万キロワット時規模、電気自動車(EV)約30万台分のバッテリーセルを現代モービスに供給する計画だった。 バッテリー生産への支障が長期化する場合、電気自動車産業まで連鎖打撃がありえる。代案にできるのはLGエナジーソリューションが米オハイオ州、テネシー州、ミシガン州の工場で作ったバッテリーを調達する形だ。 だがさまざまな面で容易ではない。オハイオ工場とテネシー工場の場合、米ゼネラルモーターズ(GM)との合弁工場だ。現代自動車と競合するGMの承認を受けるのは難しい。ミシガン工場は年間生産能力が2000万キロワット時前後とされる。その上上半期に一部ラインをエネルギー貯蔵装置(ESS)用に替えており生産能力が落ちる。 結局どうにかしてジョージア工場を最大限日程通りに稼動することが最善だ。だが韓国政府の説明のように、拘禁された人材が「自主的出国」の形で帰国しても、事態再発を防ぐためにビザ発給を受けようとするなら日程への影響は避けられない。正式に短期商用ビザの発給を受けるのに最小100日以上かかる。協力会社は元請けである大企業よりもビザを取りにくい。LGエナジーソリューションが初めての取り締まり事例であるだけに米国に進出した他の韓国企業も緊張しているのは同様だ。 拘禁された人材が工場の詰めの設備作業に向け投じた「精鋭人材」であるだけに、すぐに代替人材を確保するのも難しい。LGエナジーソリューション関係者は「拘禁された相当数がバッテリー工場建設の経験がある熟練した人材。少なくともこの人材を米国工場に再び投じるのは難しそうだ」と話した。 移民法人テヤンのキム・ジソン代表は「自主的な出国の形でも米国に再入国する場合に不利益がありえる。拘禁者の今後の不利益まで最小化するのが政府の今後の役割になるだろう」と話した。