視力検査に絡み現金盗んだ容疑で警察官逮捕の広島、別の住民も盗難被害訴え

広島県警竹原署大崎上島分庁舎(同県大崎上島町)で、同署の巡査長=広島市南区=が運転免許証の更新手続き中に町内の女性の現金を盗んだとされる事件を巡り、別の町内の男性(75)も免許更新に絡んで現金の盗難被害を訴えていることが分かった。男性が中国新聞の取材に証言した。県警も把握しており関連を調べている。 窃盗容疑で8月30日に逮捕された巡査長の男(31)=同町=は、分庁舎で更新手続きに伴う視力検査を担当していた。6月23日、視力検査中に女性(78)が持参した封筒から現金1万円を盗んだとして逮捕され、9月10日に同罪で起訴された。 男性によると、被害額は約10万円という。3月10日、免許更新で庁舎を訪問。視力検査を受け、帰宅後に更新前の免許証が手元にないのに気付いて車で庁舎に戻った。庁舎内では確認できず、巡査長と別の警察官と一緒に男性の車の中を探すため、駐車場に向かった。その際、巡査長から財布を見せるよう言われて渡し、少しして返してもらったという。 車内でも見つからず庁舎に戻り、男性が外に出ると巡査長が「車内に携帯を忘れたかもしれない」と駆け寄ったため2人で車へ。ほどなく助手席の周辺を探していた巡査長が免許証と携帯電話を発見したと車外に出てきた。男性は「あれだけ探しても見つからなかったのに不自然だと思った」と振り返る。 男性はその日夜、財布の現金が5万円ほど減っているのに気付いた。翌11日朝に車内を確認すると、助手席前の収納スペースに入れていた現金5万円入りの封筒もなかった。紛失届を提出後、8月中旬から複数回、県警捜査員に窃盗事件として事情を聴かれ、一連の経緯を説明したという。 県警は巡査長が来庁者を狙った犯行を繰り返した可能性を視野に捜査している。男性は取材に「真相を明らかにしてほしい」と求めている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加