被告 起訴内容認める/七戸傷害致死初公判

昨年4月、青森県七戸町の土中からプラスチック製の容器に入れられた同町のトラック運転手の男性=当時(54)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死や死体遺棄などの罪に問われ、主犯とされる同町森ノ上、無職の男(49)は16日、青森地裁(藏本匡成裁判長)で開かれた裁判員裁判初公判で起訴内容を認めた。争点は量刑。判決は30日。 検察側の冒頭陳述によると2018年ごろ、男が経営する運送会社に勤める男性に飲酒運転の疑いがあったとして男が男性を解雇。その後、県や運輸局、警察に対し、男の覚醒剤使用や同社の不法投棄などに関する匿名の情報提供が立て続けにあった。男は運輸局による監査や警察の家宅捜索を受けるなどし、運輸局から複数の義務違反による文書警告が出されたという。 さらに、インターネット掲示板などで男や男の家族に対する悪口が書き込まれた。情報提供者や投稿者はいずれも不明だが、「男は男性による嫌がらせと考え、やめさせるために拉致して暴行を加えようとした」と指摘した。 弁護側は冒頭陳述で、男が男性に飲酒運転に関する事情を聴いたところ「否定しなかったため解雇した」と説明。その後の嫌がらせについて男性は関与を認めなかったものの、「男にとってはタイミング、内容を見ると、男性が恨みから仕掛けたとしか思えなかった」と主張した。「男は一定の処罰を受けることはやむを得ないと思っている」としつつ、「男の行動によって男性が亡くなる結果が生じるとは思っていなかった」と訴えた。 起訴状などによると、昨年1月7日、知人らと共謀し、男性に暴行を加えて自宅から連れ去り、運送会社敷地のコンテナ内で体にタイヤ数本を載せ、プラスチック容器に入れて出血性ショックと呼吸不全で死亡させた。同10日ごろ、容器を土場に運び、重機で土中に埋め、2月2日ごろ容器を掘り起こし、別の土場へ移し再び埋めた。3月6日には死体遺棄事件の共犯者から覚醒剤約2グラムを12万円で譲り受けたとされる。 事件を巡っては、同町や六戸町の男女5人が逮捕、起訴され、このうち3人は一審青森地裁で実刑・有罪判決を受けている。 次回公判は18日。被告人質問などを行う。

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