マニラ、フィリピン、9月22日 (AP) ― フィリピンの首都マニラで9月21日、汚職に対する平和的な抗議集会が開催される一方で、警官隊に石やボトル、火炎瓶を投げ、大統領官邸に続く重警備の道路と橋を封鎖したとして、当局は49人を逮捕した。 マニラの歴史的公園と民主主義記念碑で開かれた抗議集会には、3万人以上が参加する一方で、国会周辺では警官隊とデモ隊が衝突。毎年の台風で甚大な被害が生じる同国の洪水対策で私腹を肥やした政治家や役人、建設会社オーナーなどが関わる汚職スキャンダルへの国民の怒りが、警官隊との衝突に発展した。 マニラ警察によれば、フィリピン国旗や反汚職スローガンを掲げた約100人のデモ隊の数時間におよぶ暴動で、警察約70人が負傷したという。 デモ隊は大学キャンパスや銀行、レストランなどが並ぶ通りで、壁にグラフティを書き、鉄柱を押し倒し、ガラスパネルを砕き、ホテルのロビーを荒らすなどしたため、警官隊は催涙ガスで応戦した。 マルコス大統領は7月の年次国家演説で、治水汚職スキャンダルを初めて取り上げた。同大統領はその後、2022年の大統領就任以降実施されるはずだった95億ドル規模の治水プロジェクト9855件に異常があったとして、調査のための独立委員会を立ち上げた。 マルコス大統領は「恐ろしい」規模の汚職であるとして、公共事業長官の辞任を受け入れた。 建設会社数社を経営する裕福な夫婦が、儲けの大きい治水事業契約を獲得。メディアのインタビューで、所有する数十台の欧米の高級車を見せたことから、国民の怒りが爆発した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)