フランス、反捕鯨活動家ワトソン容疑者の政治亡命を不認定

【AFP=時事】フランスは、日本が逮捕状を出している反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者、ポール・ワトソン容疑者(74)の政治亡命を不認定とした。AFPが23日、文書で確認した。 カナダと米国の二重国籍であるワトソン容疑者は、母国で逮捕される可能性があると主張していたが、フランス難民・無国籍者保護局(OFPRA)は、両国は「法の支配に基づく民主主義国家」であり、ワトソン容疑者の懸念には「根拠がない」と判断した。 OFPRAは決定の中で、ワトソン容疑者がカナダまたは米国で逮捕された場合、「通常の身柄引き渡し手続きの下で権利を主張できないことを示す重大な証拠を提示していない」と述べた。 日本は、2010年に南極海を航行中の捕鯨船への器物損壊、傷害をなど指示した疑いでワトソン容疑者の逮捕状を取り、国際手配した。ワトソン容疑者は昨年、デンマーク自治領グリーンランドで国際手配に基づき拘束された。日本は身柄引き渡しを要請したが、デンマークは応じず釈放した。 ワトソン容疑者は2024年末にフランスに到着し、今年2月に亡命を申請した。 ワトソン容疑者はAFPに対し、OFPRAの決定に「失望している」と述べる一方、フランス国籍の取得を希望しているとも述べた。 ワトソン氏の代理人を務めるエマニュエル・リュド弁護士はAFPに対し、「フランスはポール・ワトソン氏の政治亡命を拒否することで、名誉を損なっている」「日本は国際逮捕状を維持しているため、彼がどこへ渡航しようとも、依然として危険にさらされている」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

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