米連邦高裁、ポートランドへの州兵派遣認める判断 トランプ氏法的勝利

[20日 ロイター] – 米連邦巡回区控訴裁判所(高裁)は20日、トランプ大統領によるオレゴン州ポートランドへの州兵派遣を認める判断を下した。トランプ氏にとって重要な法的勝利になる。 トランプ氏は対立する民主党の首長が率いる都市に州兵を派遣しており、その一環として9月27日に州兵200人をポートランドに派遣するよう命令。これに対しオレゴン州の連邦地裁は今月4日、トランプ大統領によるポートランドへの州兵派遣を一時差し止める判断を示し、15日に一時差し止め命令を14日間延長していた。 高裁は、州兵派遣について、連邦政府庁舎を損傷し、移民税関執行局(ICE)職員を脅したデモ参加者に対する適切な対応だと指摘。 多数意見には、トランプ氏が1期目の任期中に任命したブリジット・ベイド判事とライアン・ネルソン判事の2人が加わった。ネルソン判事は補足意見で、裁判所には大統領の部隊派遣の決定を審査する権限さえないと述べた。 一方、民主党のビル・クリントン大統領(当時)に任命されたスーザン・グレイバー判事は反対意見を表明。「不都合」なデモへの対応で部隊の招集を許可するのは「理不尽」であり危険な行為だと主張した。 ホワイトハウスのジャクソン報道官は、トランプ氏が連邦資産と職員をデモ参加者から守るために合法的な権限を行使したとして、判決を歓迎した。 民主党主導の州・都市は、派遣を阻止するため、訴訟を起こしており、裁判所は、トランプ氏の州兵派遣の合法性について、最終的な判断に至っていない。 トランプ氏は、別の連邦高裁がシカゴへの部隊派遣を認めない判決を下したことを受け、民主党主導の都市への部隊派遣に関する大統領権限について、連邦最高裁判所の審理を求めている。 州が提供した警察の記録によると、ポートランドのデモは「小規模で穏やか」だった。6月中旬の逮捕者はわずか25人で、6月19日以降の3カ月半では逮捕者は出ていない。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加