福島県会津若松市のパチンコ店で8月、強盗を装った男らに多額の現金が盗まれた事件で、会津若松署は21日午前10時45分ごろ、盗みと建造物侵入の疑いで東京都豊島区、無職の男(18)を逮捕した。 捜査関係者によると、男は勧誘役を担ったとみられる。事件の逮捕者は9人目。県警は匿名・流動型犯罪グループ(通称・トクリュウ)による事件とみて、調べている。 逮捕容疑は8月12日午前1時50分ごろ、既に逮捕、起訴されている男らと共謀して会津若松市のパチンコ店「ビックつばめ会津若松店」に侵入し、現金約2668万円を盗んだ疑い。県警は捜査に支障があるとして、認否を明らかにしていない。 捜査関係者によると、今回逮捕された男は事件現場にいなかったが、計画を知り得る立場だったという。既に逮捕された男らの一部と面識があったとみられ、いずれかの指示を受け、知人の会社員男性(21)=盗品等運搬の疑いで逮捕、処分保留で釈放=を運搬役として勧誘したとみられる。既に逮捕された男らの取り調べや押収したスマートフォンの解析などで浮上した。県警は男が金銭を受け取る目的で事件に関わったとみて、詳しい経緯を調べている。 事件を巡っては、窃盗と建造物侵入の罪で運転手役や被害者役、指示・勧誘役、現金運搬役の男6人が起訴され、強盗役の男(19)が窃盗と建造物侵入などの非行内容で少年院送致されている。奪われた現金の一部は押収されているが、県警は全体の行方について明らかにしていない。