埼玉・老人ホーム殺人 施設で金銭トラブル、容疑者が関与か

埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで入所者2人が殺害された事件で、1人に対する殺人容疑で逮捕された元職員、木村斗哉(とうや)容疑者(22)がホームに勤務していた時期に、施設内で金銭がなくなり、木村容疑者が疑われてトラブルになっていたことが、関係者への取材で判明した。施設と容疑者のトラブルが明らかになるのは初めてで、県警は事件と関連しているかどうか慎重に調べる。 これとは別に、県警は5日、木村容疑者を窃盗と建造物侵入の疑いで再逮捕した。再逮捕容疑は10月12~14日、同県熊谷市内の飲食店に侵入し、現金2万円を盗んだとされる。容疑を認め「生活費を得るため」などと話しているという。 店舗が入る雑居ビルはシャッターが閉まっていたが、暗証番号で解錠できるキーボックスに鍵が保管され、木村容疑者は番号を合わせてボックスを開けたとみられる。捜査関係者によると、木村容疑者は以前にも同じ店で窃盗をしたとほのめかしているという。 木村容疑者は2023年5月~24年7月に老人ホームで介護職として勤務していた。関係者によると当時、複数の入居者や職員から金銭が盗まれたと訴え、木村容疑者の関与が疑われたという。一連の窃盗や金銭トラブルと殺人事件の関係は不明だが、県警は殺人事件前の行動を詳しく調べ、動機の解明を進める。 木村容疑者は10月15日未明に女性入所者(当時89歳)を殺害したとして逮捕されていた。もう1人の殺害も認め「2人に恨みはない」と供述している。【田原拓郎、加藤佑輔、板鼻歳也】

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