高齢者からキャッシュカードなどをだまし取ったとして、警視庁国際犯罪対策課は、詐欺などの疑いで、東京都中央区の無職、高橋宗正容疑者(40)や、千葉市中央区の職業不詳、大美賀元容疑者(41)ら男7人を逮捕した。国際犯罪対策課は7人の認否を明らかにしていない。 国際犯罪対策課によると、高橋容疑者は還付金詐欺や預貯金詐欺を行う匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の首謀者とみられる。グループは令和5年2月以降、埼玉県など4都県で、少なくとも500件、被害総額約22億円の特殊詐欺事件に関与したとみて捜査している。 5年2月、東京都足立区のコンビニエンスストア駐車場に止めていた車に乗っていたベトナム国籍の男2人に警視庁西新井署員が職務質問をしたところ、日本人名義のキャッシュカード18枚を持っていることが判明。2人を窃盗未遂容疑で逮捕し、押収したスマートフォンの解析や防犯カメラ捜査などから詐欺グループの関与が浮上した。 警視庁はこれまでにグループの受け子や出し子ら29人を詐欺容疑などで逮捕。SNSでメンバーを募集し、秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」などでやりとりを行っていた。だまし取った現金は駅のコインロッカーや道路の茂みに隠すなどして回収していたとみられる。だまし取った金の一部は暴力団に流れていたとみて、国際犯罪対策課は全容解明を進める。 逮捕容疑は、共謀して、6年11月、埼玉県新座市の80代女性に銀行協会職員らになりすまして電話をかけ、キャッシュカード4枚をだまし取り、現金400万円を引き出したなどとしている。