(CNN) 歴史ある街に旅行者がひしめき合い、ビーチはタオルやパラソルですき間なく覆われ、酔っぱらった観光客が騒ぎを起こして逮捕される。 オーバーツーリズムに悩む欧州の都市ではよくある光景だ。バルセロナでもベネチアでも近年、押しかける観光客の悪影響にうんざりした住民らが抗議デモを展開してきた。 同じことがアジアでも起き始めている。「(インドネシア中南部の)バリ島は間違いなくその一例」と語るのは、マレーシアの首都クアラルンプールを拠点に旅行や消費者の動向を分析するアナリスト、ゲイリー・バウワーマン氏だ。「日本の京都もそうだろう。さらに(タイ南部の)プーケット島が挙げられるかもしれない」と述べた。 米国人旅行者のシャノン・クラーク氏は最近、姉妹2人で日本を訪れた。「京都は混雑ぶりが飛び抜けていた。今回の旅で、好みではなかった訪問先のトップだ」と振り返る。 市内の名所、伏見稲荷大社に行った日は、混雑を避けようと朝5時に起きた。「上り道はごく少数の人しか見かけなかったが、下り道では観光客が殺到していた」 京都ではその後も、歩道や市場で人混みをかき分けているうちに時間が過ぎた。 「聖地や史跡はどこも、着物と草履(ぞうり)を身に着け、インスタグラム用の写真を撮る外国人旅行者に占領されていた」という。