1999年11月、自宅アパートで刃物で刺され殺害された、名古屋市西区の主婦・高羽奈美子さん。当時2歳だった息子の航平くんはリビングにいましたが、無事でした。部屋には、食べかけのみかんやカップ麺がそのままになっていました。 奈美子さんは几帳面な性格だったため、“来客があったらそれらを片付けていただろう”ということで、来客を予期しない状況で突然襲われたのではないかとみられます。 犯人は血を流しながら逃走したとみられ、血痕がアパートから約500mにわたって残っていました。 なぜ26年経った今、逮捕に至ったのか。元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんにお話を伺います。 ■初動はどんな捜査?26年なぜ捕まらなかった? (元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん) Q.初動としてはどんな捜査が行われていたとみられる? 「26年この容疑者が捜査対象に浮上しなかったということは、警察も公表している通り、5000人の捜査対象者を、一つ一つDNAなどで打ち消しの捜査をしていたということだと思います」 Q.なかなか逮捕に至らなかったんですが、この理由として考えられることは? 「被害者の奈美子さんとは接点がない。そして、夫の悟さんとも接点がかなり希薄だと。対象というのは、最新の交友関係者から対象者を浮上させるので、高校の同級生まで対象者を広げるというのは、難しかったのかなというふうには感じます」 しかし、去年一気に流れが変わりました。担当刑事が変わったことで逮捕に至ったということです。 去年、発生時から事情聴取した5000人以上の関係者から、数百人に絞って再捜査が行われました。その数百人の中に、安福容疑者が含まれていたということです。 そして、今年8月からは容疑者を複数回任意で事情聴取。ただ、DNAの提出については、拒否し続けていたということです。 10月30日(木)になって、DNAの提出に応じた容疑者。数時間後に出頭してきました。そして、現場に残された血痕のDNA型と一致したということで、翌日31日(金)逮捕に至りました。