トルコ、イスラエル当局者に「ジェノサイド」容疑で逮捕状 ネタニヤフ首相ら37人

(CNN) トルコは7日、イスラエルのネタニヤフ首相など数十人のイスラエル当局者に対し、ジェノサイド(集団殺害)の容疑で逮捕状を発行した。 イスタンブール検察によると、逮捕状は計37人に対して出された。ネタニヤフ氏のほか、イスラエルのカッツ国防相やベングビール国家安全保障相、ザミール軍参謀総長らが対象になっている。 検察によると、逮捕状は容疑の内容として、イスラエル当局者がパレスチナ自治区ガザ地区およびガザ地区へ支援物資を運んでいた船団に対して行った「人道に対する罪」と「ジェノサイド」を挙げている。ガザへ向かっていた船団は先月、イスラエル当局によって拿捕(だほ)された。 イスラエル政府は直ちに逮捕状を批判し、拒否する姿勢を示した。 イスラエルのサール外相は、今回の動きをトルコのエルドアン大統領による「広報パフォーマンス」と形容している。 一方、ガザ地区のイスラム組織ハマスは逮捕状を歓迎。「トルコ国民と指導部の高潔な立場を改めて示すものだ」と述べた。 逮捕状の発行を受け、米国が仲介したガザ停戦合意の維持に当たる多国籍治安部隊において、トルコがどのような役割を果たすのかという疑問が浮上した。 今週前半には、イスラム教徒が多数派を占める複数の国がトルコのイスタンブールに集まり、ガザ地区へ派遣される国際安定化部隊(ISF)について協議していた。ISFはトランプ米大統領が発表した20項目からなる停戦計画の要で、パレスチナの新たな警察組織の訓練や地域安定化の支援に当たる見通しだ。 トルコはハマスの停戦合意受け入れに重要な役割を果たした経緯があり、米当局者はトルコをISFの参加候補国として挙げている。ただ、トルコが具体的にどのような役割を果たすのかは不明で、イスラエルはトルコ軍のガザ入りに反対する立場を明確にしている。

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