兵庫県の内部告発文書問題にからみ、今年1月に死去した竹内英明・元県議(当時50)に関するデマをSNSで拡散して名誉を傷つけたなどとして、県警は9日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)を名誉毀損(きそん)容疑で逮捕したと発表した。 県警は、捜査に支障が出るおそれがあるとして認否は明らかにしていない。 竹内氏の妻(50)は立花容疑者を名誉毀損容疑で県警に刑事告訴し、今年6月に受理されていた。 告訴状によると、立花容疑者は2024年12月、大阪府泉大津市長選での街頭演説で、「竹内県議はめっちゃやばい。警察の取り調べを受けているのは間違いない」などと発言し、さらに竹内氏が自死した後の今年1月19日にYouTube動画で竹内氏について「どうも明日逮捕される予定だったそうです」などと虚偽の発言をして、竹内氏の名誉を毀損したとしていた。 竹内氏の妻によると、竹内氏にはこの後、「竹内が黒幕」「責任をとれ」などと記した郵便物が届くなど、誹謗(ひぼう)中傷が相次いだ。 竹内氏は昨年11月に議員辞職し、今年1月18日に自死した。 竹内氏の妻は8月に会見を開き、「夫は、立花氏から(文書問題の)『黒幕』と名指しされて、人々の憎悪の対象にされ、絶望して命を絶った」と訴えていた。 一方で立花容疑者は自身のユーチューブで、竹内氏が警察の取り調べを受けていることが事実だと信じるような事情があったと説明していた。 竹内氏は、内部告発文書の真偽を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員を務めていた。(根本快、新屋絵理)