国際ロマンス詐欺の被害金引き出した容疑 広島の55歳女を逮捕 元は被害者か 兵庫県警

英国人男性医師を名乗る人物らによる国際ロマンス詐欺事件の被害金を引き出したとして、兵庫県警国際捜査課と姫路署などは11日、詐欺と窃盗の疑いで、広島県福山市のパート従業員の女(55)を逮捕した。 女の逮捕容疑は何者かと共謀し昨年9月、兵庫県洲本市の女性(66)に対し、国際機関所属の英国人男性医師などをかたって「ウクライナ政府からのお見舞金4億円を預かってほしい。そのための手数料を入金してほしい」などと連絡。女名義の口座に計約387万円を振り込ませ、一部を引き出した疑い。調べに女は「送金を受けて出金した。4億円の話などは知らない」と容疑を否認している。 同課によると、女は元々国際ロマンス詐欺事件の被害者だったとみられる。女は同課に対し、自らの資金が無くなった後、英国人男性医師を名乗る人物から口座に振り込まれた現金を振り替える依頼を受けたと説明。手元に渡った被害金は仮想通貨に換わり、国外に送金されていることを確認したという。同課は女が詐欺行為への関与を認識して送金などをしたとみて、裏付けを進めている。 この事件では、北大西洋条約機構(NATO)所属の英国人男性医師を名乗る人物が交流サイト(SNS)を通じて被害女性と接触し、通信アプリ「LINE(ライン)」でやりとりを重ねていた。恋愛感情ではなく、境遇に同情させて現金をだまし取っていた。 女性は同様に昨年9~11月、英国人男性医師から「足の負傷で退職しなければいけない。退職にお金が必要」と伝えられ、現金60万円を振り込んだとされる。 同課は11日、この入金先口座の名義人で現金を引き出した疑いがあるナイジェリア国籍で同県姫路市の皮革工の男(45)を詐欺と窃盗容疑で逮捕。男は調べに容疑を否認しているという。 同課は、今回逮捕した女と男は振り込まれた現金を出金する役割だったとみており、組織的な関与があるとみて調べている。

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