韓国メディア、尹氏罷免に「市民の勝利」「再び憲政史の悲劇」 繰り返された大統領弾劾

【ソウル=石川有紀】韓国の「非常戒厳」宣布を巡り尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が罷免された憲法裁判所の決定から一夜明けた5日、韓国主要紙は1面や社説で裁判官全員一致による決定を評価した。保守系、革新系ともに世論の分裂は「国民的不幸」として国民の統合を訴えた。 「大統領弾劾は、市民の常識と憲法的熱望の勝利」(ハンギョレ新聞) 「無血の市民革命」(京郷新聞) 革新系各紙は社説で、民主主義が危機にひんするたび、国民がそれを救ったとたたえた。 昨年12月の戒厳から約4カ月間、尹氏の罷免の是非を巡り世論は激しく分裂した。保守系紙の朝鮮日報は、「国民は心理的内戦状態というほどの葛藤を経験した」と表現し、次期大統領選候補者に国民統合への努力を求めた。 憲法裁は尹氏の弾劾訴追事由とされた戒厳の違憲性や軍を動員しての国会封鎖の試みなど主要争点について全面的に認めた。保守系紙の中央日報は「すべての議論に終止符を打った」と意義づけ、与野党と国民に決定を受け入れるよう訴えた。 韓国大統領の弾劾罷免は、2017年の朴槿恵(パク・クネ)氏以来2人目。大統領の弾劾が繰り返されたことは、「再び憲政史の悲劇」(中央日報)として歴史に刻まれた。朝鮮日報は、大統領の弾劾や退任後の逮捕が続く現行の大統領制について、権限が集中する大統領にくみする与党と野党が極端に対立する「無限政争構造」と指摘。大統領選後の改憲を求めた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加