東京都文京区の「マッサージ店」で働き、人身取引の被害者として保護されたタイ国籍の12歳の少女の母親について、警視庁は12日までに児童福祉法違反の疑いで逮捕状を取った。店に少女を引き渡した疑いがあるという。捜査関係者への取材で分かった。 警視庁保安課によると、母親は6月27日に少女と入国し、その日に店を訪れた。店で「(客の)下半身をさすって」などと少女に伝え、7月11日に出国していた。少女は9月16日、東京出入国在留管理局を訪れ「タイに帰りたい」と訴えていた。 児童福祉法34条は、児童に淫行をさせるおそれのある者に対して児童を引き渡す行為を禁止している。 ■タイ警察幹部が視察 この事件でタイ警察の幹部らが来日し、警視庁や警察庁の担当者と12日に協議した。関係者によると、台湾で拘束されている少女の母親の引き渡しなどについて意見を交わし、今後も少女の支援などに協力して対応していくことを確認した。タイ警察幹部は協議後、少女が働いていた店が入るビルを視察した。 台湾の出入境管理当局などによると、母親は10月下旬に台湾で売春に関わった疑いで警察当局に拘束され、処分を受けた。ビザなしで台湾に滞在できる期間を超過しており、入管施設に収容されている。(太田原奈都乃、板倉大地)