2025年4月…。 (高山 基彦 キャスター) 「今、広末さんが出てきました。広末涼子さん釈放です。午前6時20分、今警察署から出てきて、ゆっくりと頭を下げました。深くお辞儀をしました」 静岡県内の新東名で乗用車を運転中に大型トレーラーに追突する事故を起こし、病院に搬送された俳優の広末涼子さん。 その病院内で看護師にけがをさせたとして傷害の疑いで逮捕されましたが、その後、処分保留で釈放となったのです。 その一方で、新東名で起こした事故については釈放の3か月後… (高山 基彦 キャスター) 「広末涼子さんの表情をこちらで10秒ほど確認することができました。表情は少し困惑している模様。少し目を落としがちな表情で、今、捜査員との実況見分が行われていました」 当時の事故の状況を詳しく調べるため、現場での実況見分が広末さんも立ち合い、行われたのです。 捜査関係者によると、広末さんは事故を起こした際、時速185キロに近いスピードで走行していたとみられます。 そして、事故から7か月が経つ中、警察は11月13日、広末涼子さんを過失運転致傷の疑いで書類送検したのです。 事件は、4月8日に起こりました。 新東名での事故により島田市の病院に搬送された広末さんは、そこで、女性看護師の足を蹴ったり腕をひっかいたりするなど暴行を加えて、けがをさせたとして傷害の疑いで現行犯逮捕されました。 その発端となった事故というのは…。 (視聴者) 「誰か人いる、座っている人」 奈良県での仕事を終え、東京に向かっていたとみられる広末さんが運転する車が、掛川市の新東名高速道路・上り粟ヶ岳トンネル内で大型トレーラーに衝突。この事故で、広末さんは、車に同乗していた広末さんのマネージャーを名乗る男性に骨折するけがをさせたのです。 その事故の直前に立ち寄った浜松市内のサービスエリアでは…。 (広末涼子さんの言動) 『広末でーす』 こう言って見知らぬ人に声をかけ、体を触ったり大声を上げたりしていたといいます。 さらに、事故後も高速道路上を歩き回るなど落ち着かない様子だったという広末さん。これらの言動を踏まえて、警察は4月に都内にある広末さんの自宅を危険運転致傷の疑いで家宅捜索しましたが、違法な薬物などは発見されませんでした。また、警察による薬物検査の本鑑定でも、大麻や覚せい剤など違法な薬物は検出されなかったということです。 そして、事故から9日後…。 (高山 基彦 キャスター) 「いま、広末さんが警察署から出てきました。広末涼子さん釈放です。午前6時20分、今、警察署から出てきてゆっくりと頭を下げました。深くお辞儀をしました」 神妙な面持ちで、少しやつれているようにも見える広末さん。約3秒間頭を下げたあと、無言のまま車に乗り込むと、車内では、ほほえむような様子も見られました。 (高山 基彦 キャスター) 「広末さんを乗せた車が浜松西警察署を後にします」 傷害の容疑については処分保留で釈放された広末さん。けがをした被害者とは示談が成立したとされています。 (広末さんの所属事務所HP掲載コメント) 『被害者をはじめ多くの方々に多大な迷惑と混乱を与えてしまったことを大変申し訳なく思っており、深く反省しております』 釈放後、所属事務所を通じ謝罪のコメントを発表した広末さん。 その上で… (広末さんの所属事務所HP掲載コメント) 『精神的に不安定な状態がみられたこともあり、今後は適切な医療機関にて診断を受けた上で医師の指導のもと、慎重に治療と健康回復に努めてまいります』 そして、都内の病院に入院した広末さんですが、「双極性感情障害」及び「甲状腺機能亢進症」と診断されたことを明らかにしていました。 一方で、警察は事故捜査を継続。釈放から3か月後、広末さん立ち合いのもと実況見分が行われたのです。 (高山 基彦 キャスター) 「ちらりと今、本人の表情が確認できました。一言二言、捜査員と言葉を交わして、今、当時の状況について説明しています。2人の捜査員が広末涼子さん本人と話をし、当時の状況を確認しています」 広末さんは同乗者の男性と運転を交代した新東名・浜松SAで約5分間捜査車両に乗ったまま当時の状況を説明。 その後、新東名の一部区間を通行止めにして、広末さんを乗せた車は粟ヶ岳トンネル内へ。約3時間にわたり実況見分が行われました。 そして、この実況見分から3か月が過ぎる中、警察は11月13日、広末さんは同乗していた男性を骨折するけがをさせたとして過失運転傷害の疑いで地検浜松支部に書類送検したことがわかりました。 広末さんは事故を起こした際、時速185キロに近いスピードで走行していて、現場には目立ったブレーキ痕はなく、車は壁にぶつかり停止したとみられています。 警察は、もともと過失運転致傷より重い危険運転致傷の疑いで広末さんの自宅を家宅捜索していましたが、今回は「危険運転」の適用は難しいと判断したとみられています。 しかし、時速185キロものスピードで走行して起こした事故が危険運転とは認められないのでしょうか。元東京地検特捜部・副部長の若狭勝弁護士は…。 (元東京地検特捜部 副部長 若狭 勝 弁護士) 「一般道であれば明らかに危険運転と言ってもいいが、この新東名で最高速度120キロ制限のところを加味すると、運転制御ができないぐらいの高速な運転だったという認定を積極的にするのはやや難しいという最終判断が働いたのではないかという風に思います」 ほかにも、同乗者が知り合いで処罰感情が強くないことが影響し、危険運転の適用に至らなかったのではないかといいます。その上で、今後の展開については…。 (元東京地検特捜部 副部長 若狭 勝 弁護士) 「結論的にいうと、罰金100万円かあるいは拘禁刑を求める裁判になるのかというボーダーラインではないかと思うんです。年末までに(検察の)処分が決められるのが通常だと思います」 若狭弁護士によると、広末さんの感情障害なども、どう事故に影響したか加味した上で処分が決められるということです。