詐欺被害97億円、福岡県で過去最悪ペース 知事らが動画で啓発

福岡県内の今年度のニセ電話詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の総被害額が9月末時点で約97億円にのぼり、統計を始めた2004年以来、過去最悪を更新した。県警は啓発動画を新たに公開するなどして被害防止を呼びかけている。 県警によると、4~9月のニセ電話詐欺の認知件数は972件(前年度比450件増)で被害額が約39億円(同約27.5億円増)。 SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺は518件(同2件減)で被害額が約58億円(同1.9億円増)だった。 警察官をかたり、ニセの逮捕状や警察手帳を見せるニセ電話詐欺や、著名人をかたるSNS型投資詐欺などが横行しているという。 全国的には暗号資産を利用したニセ電話詐欺の被害も増えている。ニセ警察官が「あなたの資産を監視する必要がある」「暗号資産にすれば番号がつき監視ができる」などと言い、暗号資産の口座開設に誘導するケースがあるという。 県警は今年度の当初予算で、ニセ電話詐欺対策として5301万円の予算を計上した。国際電話から固定電話に詐欺の電話がかかるケースが多いため、運転免許更新時の高齢者講習や防犯講話などで、固定電話における国際電話の利用休止措置を勧めている。 また県警は10月、服部誠太郎知事と高島宗一郎・福岡市長、武内和久・北九州市長、住友一仁・県警本部長の4人が出演する啓発動画をユーチューブで公開した。 「狙われているのは、あなたです」と4人が声をそろえ、ニセ電話詐欺やSNS型投資詐欺に注意するよう呼びかけている。 今月から福岡市地下鉄の駅構内などで、同内容のポスター掲示も予定しているという。動画のURLは(https://www.youtube.com/watch?v=Th62psminLg)。(根元紀理子)

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