飲酒取り締まりを避けて車で逃走し、さらには警察官まで跳ねて負傷させた軍事警察所属の佐官級将校が捕まった。この逃走劇は、犯罪映画のワンシーンのように危険きわまりなかった。 京畿(キョンギ)華城西部(ファソンソブ)警察署は、特殊公務執行妨害および道路交通法違反(飲酒運転)の疑いで陸軍某師団の将校Aを現行犯で逮捕し、軍に引き渡したと25日、明らかにした。 Aは前日午後8時25分ごろ、華城市峰潭邑(ポンダムウプ)のある商店街付近で飲酒取り締まりに応じず、SUV「チボリ」を運転して約6.9キロを逃走した疑いがもたれている。 当時Aは飲酒取り締まり現場から離れた後、約2キロ走行したところで追跡してきたパトカーに行く手を塞がれた。華城西部警察署交通安全課所属の50代B警衛(警部補に相当)が下車を指示し、助手席側のドアを開けようとしたところ、AはB警衛をはねて再び逃走した。 この衝撃でB警衛は地面に転がり、両手に打撲、膝に擦過傷を負った。 パトカーはさらに約4.9キロ追跡し、華城市梅松面(メソンミョン)の水原(スウォン)方向・片側2車線の高架道路で、第2車線を走っていたAの車の前を塞いだ。この時、第1車線を走行していたバスの運転手も警察に追われるAの車を不審に思い、その車のすぐ横に停車した。身動きが取れなくなったAはようやく逃走を諦めた。逃げ始めておよそ20分後だった。 現場での飲酒測定の結果、Aの血中アルコール濃度は免許取り消し水準だった。 警察はAの身元を確認した後、翌日の25日、Aを軍に引き渡した。軍当局はAの詳しい容疑について調査する方針だ。また、警察は検挙に協力したバス運転手に感謝を伝えるため、身元などを確認していると明らかにした。 警察関係者は「ひとつ間違えば危険に陥るかもしれない状況で、バスが適切なタイミングで停車し逃走経路を塞いでくれて大きな助けとなった」と話した。ただし、「検挙現場では市民はまず自身の安全を確保することが優先」とも呼びかけた。