【11月26日 KOREA WAVE】2005年にソウル市陽川(ヤンチョン)区新亭(シンジョン)洞で相次いだ女性殺害事件について、警察が発生から20年を経て犯人を特定した。だが、犯人とされた男は2015年に死亡しており、事件は終結となる見通しだ。 ソウル警察庁広域捜査隊によると、2005年6月と11月に同じビル内で起きた連続殺人の犯人は、当時そのビルの管理人として勤務していた60代の男であることが明らかになった。 2005年6月6日、20代の女性会社員は病院が休診だったため帰宅途中に男に襲われ、金品を奪われたうえ性暴行を受け、首を絞められ殺害された。遺体は男の乗用車で運ばれ、近くの路上駐車場に遺棄された。発見時、遺体は米袋で覆われ、紐で丁寧に縛られていた。 同年11月20日には、実家に向かった40代女性が行方不明となり、やはりビルを訪れた際に男に捕まり地下倉庫へ連れ込まれたとみられる。男は暴行と性暴行の後、ナイロン紐で首を絞めて殺害し、遺体をビニールとゴザで巻いて車で運び、再び路上に遺棄した。女性の遺体も袋と紐で覆われていた。 事件当時、陽川警察署は専従チームを編成し8年間にわたり捜査したが、犯人特定には至らず、2013年に未解決事件として管理に移行。2016年以降、ソウル警察庁の未解決事件専従チームが捜査を引き継ぎ、DNA再鑑定を国立科学捜査研究院に依頼した。 DNA分析技術の進歩により、2020年、1件目と2件目の証拠品(下着・紐)から同一DNAが検出。警察は23万1897人を対象に徹底捜査を続けたが一致者は出ず、死亡者リストの中から対象を絞り込んだ結果、2006年に性犯罪で逮捕歴のあるこの男が浮上した。男は身長180センチ超の屈強な体格で、当時の受刑者の証言でも「紐の結び目を非常にうまく作る男」と記録されていた。 男は2015年にがんで死亡し火葬されていた。警察は男が生前に受診した医療機関40カ所を調査し、保存されていた検体(パラフィンブロック、スライド)を押収。今年8月の国科捜鑑定で、事件証拠と男のDNAが完全一致した。男はこの2件以前にも3度の性犯罪前科があった。 警察は「犯人が死亡していても、長期未解決事件の真相は必ず明らかにする」とし、遺族に哀悼の意を示した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News