兵庫県の告発文書問題を追及していた竹内英明・元兵庫県議(2025年1月死亡)に関する虚偽発言をしたとして逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志容疑者(58)について、神戸地検は11月28日、名誉毀損罪で起訴した。 名誉毀損事件をめぐり、検察が正式起訴(公判請求)するのは異例。立花被告は11月9日、竹内元県議に関する名誉毀損発言を“生前”と“死後”に行った容疑で兵庫県警に逮捕された。 起訴状などによると、 ▼昨年(2024年)12月13~14日、自身が出馬した大阪府泉大津市長選挙の街頭演説で「(竹内議員は)黒幕だ。何も言わずに去っていった竹内議員は、めっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない」などと発言し、竹内氏の名誉を毀損した〈生前の名誉毀損〉 ▼竹内元議員が亡くなった後の今年(2025年)1月19~20日、自身のSNSや 埼玉県川越市議補欠選挙の応援演説で、「昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていた」「どうも明日逮捕される予定だったそうだ」などという虚偽の情報を投稿、発信するなどして、名誉を傷つけた〈死後の名誉毀損〉 とされる。 立花被告は当初、「情報源を含め、真実相当性(真実と信じるだけの十分な理由と根拠)がある。不起訴、あるいは無罪を確信している」と容疑を否認していた。 しかし、接見した石丸幸人弁護士が11月14日、「真実相当性は争わない」とする今後の弁護方針を明らかにし、主張を変えた。 立花被告は、離党したNHK党議員らへの脅迫罪やNHKに対する威力業務妨害罪で、東京地裁で懲役2年6カ月・執行猶予4年の判決を受け、2023年に確定している。 今回の起訴内容で実刑となった場合、原則として確定したる2年6カ月の懲役刑と、新たに言い渡される刑が合算される。 ただし、その判決で刑期が1年以下かつ情状酌量すべき事情があると認められれば、裁判所が再び執行猶予とする可能性がある。