贈賄側の勾留認めず 最高裁が地裁の判断覆す 東大病院汚職事件

東京大学医学部付属病院の医師に寄付金名目で賄賂を渡したとして、警視庁が11月19日に贈賄容疑で逮捕した医療機器メーカー元社員(41)について、最高裁第一小法廷(岡正晶裁判長)は勾留を認めない決定をした。27日付で、裁判官5人全員一致の意見。 東京地裁は元社員の勾留を認めており、最高裁が下級審の判断を覆すのは珍しい。 勾留は、逮捕・送検された容疑者の身体を拘束する手続き。検察官が請求し、証拠隠滅や逃亡の可能性、住居不定の場合などをふまえ裁判所が勾留するかどうかを決める。 検察側による元社員の勾留請求に対し、東京地裁は21日、認めないと決定。だが、検察側が準抗告したところ、地裁の別の裁判官が合議で、証拠隠滅のおそれがあるとして最初の判断を覆し勾留を認め、弁護人以外との接見も禁じた。元社員側が最高裁に特別抗告していた。 第一小法廷は、勾留を認めなかった最初の地裁決定は、証拠隠滅のおそれを具体的に検討したと指摘。元社員が数カ月にわたり任意聴取に応じた点などから勾留を認めなかった最初の地裁決定について「一定の合理性がある」とした。 一方で、勾留を認めなかった最初の地裁判断を一転させて勾留を認めた判断については「不合理である理由を実質的に示せていない」と述べた。 元社員について、警視庁は逮捕当時、認否を明らかにしていなかった。(米田優人)

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