香港当局は3日、先月末に高層住宅群で起きた大規模火災を受け、現在改修工事を行っている建物から6日までに足場用ネットを撤去するよう命じた。 火災は11月26日午後、香港北部・大埔区の高層住宅群「宏福苑(ワン・フク・コート)」で発生。上方と横方向にも素早く広がり、全8棟のうち7棟が焼けた。3日までに159人の死亡が確認され、依然として31人が行方不明になっている。 調査当局は、大規模な改修工事が行われていた宏福苑を囲んでいた防護ネットが、難燃基準を満たしていなかったことを把握している。 開発局のバーナデット・リン・ホンホ局長は、足場に使用される資材の試験に関する新たなガイドラインを、来週にも公表すると述べた。 香港では現在、約200棟の民間住宅と10棟の公営住宅の建物で改修工事が行われている。 現地紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、撤去命令の影響を受ける建物は約300棟に上ると報じている。 報道によると、リン局長は、「基準を満たさない足場用ネットを使用した請負業者の責任を最後まで追及すると、市民に保証する」と述べた。 また、すでにネットのサンプルが採取され、試験が行われていると述べた。 宏福苑では、建物外部の防護ネットやその他の可燃性資材により、炎が棟の間で急速に広がったと当局は説明している。 火災の原因調査が進む中、警察はこれまでに、過失致死容疑で少なくとも15人を逮捕した。 3日には、宏福苑で被害を受けた7棟すべてで内部の捜索を完了したと発表。今後は竹製の足場の残骸など、建物の他の部分で遺体を探すという。 「我々の作業は終わっていない」とジョー・チョウ警察長官は述べた。 「見てのとおり、多くの竹が落下している。竹に覆われた遺体がないか確認するため、我々はまだ作業を続ける必要がある」 香港電台によると、これまでに発見された159人の遺体のうち140人の身元確認されている。うち49人が男性、91人が女性で、年齢は1歳から97歳までだったという。 ロイター通信は3日、火災で自宅を失った70代の夫婦が娘と共に焼け跡に戻った様子を伝えた。 母親のルンさんは、「すべてはわずか1時間か2時間のうちに起きた」と語った。 「私はそこに立ち、一棟また一棟と炎に包まれるのを見ていた。足の力が抜け、立っているのがやっとだった。それを見たとき、完全に無力だと感じた。なぜ火がこれほど激しく広がり、次々と建物を飲み込んだのか、今も理解できない。恐ろしかった」 「竹製の足場が裂け、窓が爆発するような音が響いた。炎は完全に制御不能だった」 娘のボニーさんは、「真相が明らかになることを望んでいる。背後に隠された何かがあったのか、汚職や不正な取引があったのかどうか」と付け加えた。 (英語記事 Hong Kong orders removal of scaffolding mesh after deadly blaze)