26年前、愛知・名古屋市で起きた主婦殺害事件で、逮捕された女の新たな供述が明らかになりました。 その供述は、「被害者の夫に子育ての苦労を分からせたかった」という趣旨の内容です。 この事件で逮捕された安福久美子容疑者（69）は26年前の1999年11月、名古屋市西区のアパートで主婦の高羽奈美子さん（当時32）の首を刃物で複数回刺すなどして殺害した疑いが持たれています。 これまでの調べで、安福容疑者は事件の5カ月前に開かれた高校の部活動の同窓会で、奈美子さんの夫の高羽悟さんと再会。 その際、子供が生まれたことなど、互いの近況について話していたことが分かっています。 そのことがきっかけとなったかははっきりしていないものの、調べに対し、安福容疑者が「悟さんに子育ての苦労を分からせたかった」という趣旨の供述をしていたことが分かりました。 警察は、奈美子さんを殺害することで悟さんに子育てを1人で担わせようと考え、奈美子さんを襲った可能性もあるとみて調べを進めていますが、安福容疑者自身は現在黙秘しています。 また、奈美子さんと当時面識がなかったとみられる安福容疑者は、奈美子さんに警戒されないよう、乳酸菌飲料の訪問販売員を装い、現場アパートを訪れたとみられることも新たに分かりました。 捜査関係者によりますと、事件発生当時、アパートの玄関付近に乳酸菌飲料がこぼれていて、その量が室内にあった飲料パックから減っていた分とほぼ一致したということです。 高羽さん家族は、その乳酸菌飲料を飲む習慣がなかったことから、警察は安福容疑者が訪問販売員を装って部屋を訪れた可能性があるとみています。 検察は、安福容疑者の刑事責任能力の有無などを調べるため、11月14日から鑑定留置を行っています。