旧統一教会の韓国政界癒着疑惑、李在明政権に拡大 日韓海底トンネル実現狙い金品提供か

【ソウル=桜井紀雄】韓国警察当局は17日までに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政界の癒着疑惑の解明に向け、教団本部や与野党の政治家の自宅などを一斉に家宅捜査した。特別検察官チーム(特検)が尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権側と教団の癒着疑惑を捜査する中で、教団が李在明(イ・ジェミョン)現政権の閣僚にも金品を贈っていた疑いが浮上。政権与党に疑惑が拡大し、国政運営も揺るがしかねない状況となっている。 韓国メディアによると、教団は2018~20年、南部釜山(プサン)と九州を海底トンネルで結ぶ「韓日(日韓)トンネル」構想に絡んで便宜を受けるため、地元選挙区の国会議員だった田載秀(チョン・ジェス)前海洋水産相に現金数千万ウォン(数百万円)と高級時計を贈った疑いが持たれている。日韓トンネル構想の実現は、教団を創設した故文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が提唱し、教団の一貫した悲願とされる。 田氏は疑惑発覚後の今月11日、行政の停滞回避を理由に、海洋水産相を辞任。李政権で初の閣僚辞任となった。容疑については全面的に否定している。 与野党双方の政治家への金品提供については、尹前大統領の妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏らに金品を贈ったとして逮捕・起訴された元教団幹部が今年8月には供述していた。だが、特検は尹前政権や最大野党「国民の力」側への支援疑惑の解明に注力し、与党「共に民主党」側の疑惑を事実上放置していたため、野党は「偏向捜査だ」と強く批判。与党側への支援疑惑を捜査する特別検察官を新たに設置すべきだと主張し、攻勢に出ている。 李大統領は10日、「与野党を問わず厳正に捜査」するよう指示した。与党に肩入れしない姿勢を示し、政権への打撃を避ける狙いとみられる。 李氏は、東京地裁が今年3月、教団に解散を命じたことにも言及。組織的な政治介入などを行い法律に違反した宗教団体に対しては解散命令の適用を検討することも求めた。 今月14日に所定の捜査期間を終えた特検から事件を移管された警察当局は15日、田氏らへの金品提供疑惑を巡り、即座に強制捜査に着手した。警察は贈収賄や政治資金法違反の容疑で調べているが、供与時期が18年だった場合、容疑や提供金額によっては今月末に公訴時効を迎える可能性がある。政治家への金品提供を認めた元教団幹部はその後、供述が揺れており、捜査の難航も予想される。

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