中村鶴松「泥酔ドア破壊」逮捕の波紋 〝リアル国宝〟に三谷幸喜氏もかけていた期待

歌舞伎俳優の中村鶴松(30)が東京・台東区のケバブ店のドアを蹴り壊したとして、建造物損壊の疑いで警視庁蔵前署に逮捕されたことが19日に明らかになり、梨園に衝撃が走った。鶴松は一般家庭から歌舞伎界に飛び込んで〝リアル国宝〟と称される。脚本家の三谷幸喜氏から評価されていたのだが…。 鶴松は19日午後、留置先の同署から釈放され、事件について陳謝した上でケバブ店側に誠意をもって対応すると話した。警視庁は今後、在宅捜査する。 鶴松は18日未明、ケバブ店のトイレを無断使用して店員から注意された。これに逆ギレし、店出入り口ドアを蹴り壊した疑いがある。酒に酔っていたといい、逮捕時は容疑について「覚えていない」と否認していた。 門外から歌舞伎界に飛び込んだ経歴により、ヒット映画「国宝」の主人公にちなんで〝リアル国宝〟と称される。2000年に東京・歌舞伎座の公演に本名「清水大希」で初出演。05年に故中村勘三郎さんの部屋子(へやご)となり「中村鶴松」を名乗った。部屋子とは幼少期に先進の歌舞伎役者の元で学ぶ立場を指す。17年に早稲田大卒業を報告した。 事件直後の18日昼に東京・浅草公会堂であった「新春浅草歌舞伎」を休演。2月に「初代中村舞鶴」を襲名する中村屋のホープでもあり、四半世紀の芸歴で今年は節目の一年になるはずだった。 また、三谷氏からも評価されていた。鶴松は同氏が作、演出を手掛けた歌舞伎公演「月光露針路日本 風雲児たち」(19年、歌舞伎座)、「歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)幕を閉めるな」(25年、同)に出演していた。 テレビ局関係者の話。 「三谷さんは鶴松さんの舞台での存在感を買っていました。自身が手掛けるドラマ、映画への出演オファーを考えていたほど。鶴松さんは歌舞伎公演のスケジュールの関係で三谷作品への出演は実現しませんでしたが、〝三谷組〟の一員になれる可能性があったんです」 鶴松は三谷氏が手掛けた「風雲児たち」「絶対続魂」両作に松本幸四郎、片岡愛之助、松本白鸚とともに出演。これまでに有名な連続ドラマや映画への出演経験はないが、三谷作品の常連俳優、女優を指す「三谷組」への仲間入りもあったわけだ。 鶴松は門外であることにコンプレックスを感じていた。 「一般家庭出身で、生まれながらの梨園の御曹司の役者には、でも引け目や悔しさを感じていました。その思いをぶつけるかのように12月には連日のように『新春浅草――』の稽古に打ち込んでいたと聞いています。まさか事件を起こすとは…」(梨園関係者) 酒に酔ってドアを壊したことで、自身のキャリアも壊してしまいかねない事態になった。所属事務所担当者は取材に対し、情報収集をして事実確認中で発表できることはないと答えた。

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