北海道日高町にあるバー「LADYLUCK」。 今月10日、店内の壁から女性の遺体が発見されました。 この事件をめぐって死体遺棄の疑いで逮捕されたのはこのバーを経営する松倉俊彦容疑者49歳です。 警察の調べに対し、「死体を店内の壁の中に入れて隠したことに間違いありません」と容疑を認めています。 ■松倉容疑者を知る人: 「犯罪を起こすような人じゃない。子煩悩」 現場となった建物は過去にスナックなどが入っていましたが関係者によりますと8年ほど前にバー「LADYLUCK」がオープンしたということです。 事件の現場となったバーは建物の2階にあり、ボックス席やダーツマシンが並んでいます。女性の遺体がみつかったのは店内にあるダーツマシーンの左にある扉の中。 警察によりますと扉を開いて右側の壁に木製の板が張ってあり、この板を外すとおよそ40センチ四方の穴があいていました。 その中にある1畳ほどのスペースに女性の遺体が横たわっていたということです。 遺体は日高町に住む工藤日菜野さん28歳。 町外にある病院で看護師として勤務していました。 また地元のYOSAKOIチームにも所属し明るく、真面目な性格で知られていました。 ■工藤さんを知る人: 「おばあちゃんに育てられてたので/子どものころから見てますので子どもの苦労人みたいな感じで真面目でしっかりしていて人に迷惑をかけないようにしている子」「これからまた楽しみがいっぱいだったのになあと思うしいてくれたらいいなと思う」 取材を進めると工藤さんが事件に巻き込まれるまでの足取りが徐々にわかってきました。 捜査関係者によりますと大晦日の先月31日午後4時ごろ自宅近くの店舗で買い物をする工藤さんの姿が防犯カメラに映っていたということです。 しかしその翌日には…。 ■髙橋純暉記者リポート: 「工藤さんは今月1日の夕方に出勤予定でした。しかし、勤務時間になっても現れず勤務先の関係者が警察や親族に連絡したということです」 ■工藤さんの上司: 「看護師さんたちはシフト勤務なんで自分のシフトに穴あけるというようなことはないのでちょっとおかしいなと思って」 今回、初めてカメラの前で取材に応じた工藤さんの上司。行方不明と発覚した今月1日をこう振り返りました。 ■工藤さんの上司: 「16時15分から勤務開始なんでその時間に出勤してこないということで」「まず本人に連絡して連絡がつかないのでアパートの大家さんに連絡しました。その後、警察の方に連絡したということです。自分が(工藤さんの)おばあちゃんの家に行ったのは19時半ぐらいだったかなと思いますけど。」 同じ日、工藤さんの祖母が警察に行方不明届を提出。その9日後の今月10日、バーの壁の中から遺体で発見されました。 ■工藤さんの上司: 「非常に残念な出来事でした。まだ年齢としても若かったですからこれからというときに。看護師としてもこれからというときだったんですけど本当に残念です」 事件に巻き込まれた工藤さんと逮捕された松倉容疑者は一体、どのような関係だったのでしょうか。 工藤さんとものとみられるSNSには、「狩猟楽しい今日も鹿取れました」というコメントがありました。 ■松倉容疑者の知人: 「2人とも猟友会に参加していたのでその繋がりで知っています」 「何度かグループ猟で猟をしたことがあります」 Qトラブルは?(松倉容疑者との)関係は? 「自分はそこまで深い関係にあると思っていませんでした」 互いに地元の猟友会に所属し、松倉容疑者が経営するバーの常連客でもありました。 また捜査関係者によりますと先月30日、工藤さんは祖母に「あすは彼氏とゆっくり過ごす」と伝えていました。 警察は工藤さんの交際相手が松倉容疑者だったのか慎重に調べています。 事件をめぐっては松倉容疑者の異常性が浮かび上がってきました。 松倉容疑者の知人によりますと事件のあったバーは先月31日から正月休みに入りましたが、今月2日には営業を再開していました。 松倉容疑者は遺体を店内にある壁の中に隠しながら営業していたとみられています。 また関係者によりますとその日、店内では空気清浄機が5台ほど動いていたということです。 犯罪心理学に詳しい専門家は、松倉容疑者の行動についてこう指摘します。 ■関西福祉科学大学心理科学部相谷登教授: 「被疑者としては店をすることが平静を装う最大の手段だと考えたということだろうと思います」 「人間の嗅覚って匂いって一番鈍感ですのでね。最初は匂いましてもしばらくするとあまり感じなくなりますのでですからこの被疑者はやはりその過敏にその部分に対して反応してしまった結果ですね、空気清浄機を複数台回して匂いをしない、それによって安心を得たんだと思いますね」 また松倉容疑者は逮捕前、警察に任意で事情聴取を受けていましたが、松知人に「警察に疑われていて潔白を証明するために調べを受けている」とはなしていたということです。 ■相谷登教授: 「通常取り調べを受けていたら「言わない」という人の方が多いと思う」「自己保身のために言う必要のないことを周りに言ってそれによって「自分は犯人ではない」とみんなに思ってもらおうという非常に幼児性の部分がここに出てしまったんだと思いますね」 「壁の中に遺体を隠したということに関しては一見、猟奇的とも取られるんですが、死体を持って屋外に出るというのは非常にリスクが高いわけです。手間がかかるし時間がなかったので手っ取り早くその物置か壁というような部分にスペースがあったのでそこへ押し込んでしまったというのが被疑者の心境ではなかったのかなと」 「そう考えますと全く計画性のない犯罪であったがゆえにこういう風な「壁の中に隠す」という手段に出てしまったのではないだろうかと考えています」 司法解剖の結果、工藤さんの死因はロープのようなもので首を絞められたことによる窒息死で警察は殺人の可能性も視野に捜査しています。