家宅捜索中に暴行 大阪府警、十数人を懲戒処分へ 異例の人数

家宅捜索中だった大阪府警の警察官が捜査対象の男性らを暴行した事件で、府警は関与した警察官ら十数人を懲戒処分にすることを決めた。捜査関係者が取材に明らかにした。捜査に非協力的な男性らに警察官が集団で暴力を振るっていたことが判明。監督責任など内部処分を含めた対象は少なくとも20人以上にのぼるとみられ、異例の大量処分になる。 事件を巡っては、捜索の現場にいた男性らに暴行を加えたとして、いずれも捜査4課の警部補、時長力(51)と巡査部長の阪口裕介(33)の両被告が特別公務員暴行陵虐罪などで逮捕・起訴され公判が続いている。さらに別の巡査部長や巡査長の計4人も同じ罪で在宅起訴されている。 捜査関係者によると、この6人の他にも複数の警察官が暴行に加わっていたことが府警の調査で裏付けられた。さらに、捜索の様子を映したカメラ映像を警察官の1人が隠していたことも判明。犯人隠避の疑いで書類送検する方針で、免職や停職など懲戒処分を受けるのは十数人にのぼるとみられる。 また、警察当局は捜査を指揮した当時の刑事部長や捜査4課長など幹部らの処分も検討している。処分者の総数は少なくとも20人以上になる見込みだ。府警は捜索の態勢に問題があったとして再発防止策を近く公表する。 暴行事件は2025年7月15日夜から16日未明に起きた。大阪市西区にあるオフィスビルの一室で、捜索中の警察官が居合わせた男性3人を殴るなどしたとされる。 捜索は国内最大規模の違法スカウトグループ「ナチュラル」の関与が疑われる職業安定法違反事件の一環で、20人以上の警察官が参加していた。 警察官らは押収予定だったスマートフォンのロックをその場で解除するため、男性らに暗証番号を求めた。しかし、男性らに拒否されたことから暴力を振るったとみられる。捜索の様子を捉えたカメラの映像の一部はその後、消去されるなどしていた。 現場責任者だった時長被告は自身の公判で「スマホのロックを解除して解析することが捜索の目的だった。こちらが真剣であることを分からせたかった」と話した。 男性3人は捜索後に逮捕され、接見した弁護士に「複数の警察官から暴行を受けた」と主張。弁護士から申告を受けた府警が映像を復元するなどして確認すると、警察官らが無抵抗の男性らに暴行していたことが発覚した。 府警は25年8月に時長、阪口両被告を逮捕。男性3人を釈放し、他に関与した警察官の特定を進めていた。【木島諒子、斉藤朋恵、井手千夏】

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