ジョージア州の取り締まり、トランプ氏も知らなかった…「政権の実力者」ミラー氏の強硬ドライブ

昨年9月、米ジョージア州で移民取り締まり当局が韓国人労働者を大量に逮捕した際、ドナルド・トランプ大統領が該当の事実を事前に把握していなかったことが明らかになった。この事態の背後としては、トランプ大統領から厚い信任を受けている「政権の実力者」スティーブン・ミラー大統領次席補佐官の名前が挙がった。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は4日(現地時間)、政府関係者の言葉を引用し、「ジョージア州の現代(ヒョンデ)自動車グループ・LGエナジーソリューションのバッテリー合弁工場建設現場で韓国人労働者約300人が逮捕された直後、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事がトランプ大統領と通話して釈放を要請したが、この過程でトランプ氏は該当の取り締まりの事実を『知らなかった』と私的に明かした」と報じた。 これは、トランプ大統領が事態直後の記者団の質問に対し、「記者会見の直前に聞いた」「知っていることは何もない」と述べた後、「不法滞在者であり、移民・関税執行局(ICE)はやるべきことをやったのだ」と発言した経緯と合致する。その後、事態発生から約4カ月を経て、トランプ大統領はニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで該当の事態について「気に入らない(not happy)」と言及した。 WSJはこうした背景について、「トランプ第2次政権の強硬な移民政策を実質的に設計・推進してきたミラー氏の、水面下での権力行使を示す事例」と解釈した。「政権の実力者」と呼ばれるミラー氏は、「1日3000人逮捕」「年100万人追放」を目標に超強硬な移民政策を推し進めてきた人物だ。エルサルバドル刑務所への移民追放、移民が集まるホーム・デポへの急襲作戦、ミネソタ州での大規模な取り締まりなど、物議を醸した政策を主導してきた。 特に、先月24日にミネソタ州ミネアポリスでICE捜査員の銃撃により米国市民のアレックス・プレッティさんが死亡した直後、ミラー氏はX(旧ツイッター)に犠牲者を「テロリスト」「捜査員暗殺未遂犯」と規定する投稿を行い、激しい批判を浴びた。それから3日後、AFP通信との書面インタビューで「ミネアポリスに投入された捜査員が関連規定(プロトコル)に違反した可能性がある」と明かし、一歩退いた。 ミラー氏の強硬な政策は、11月の中間選挙を控えたトランプ大統領の支持率にも負担として作用しているとの評価が出ている。WSJは「トランプ氏が移民政策への世論が良くないという点を認識し、ミラー氏が一部の事案であまりにもやりすぎたという見解を側近に伝えた」と報じた。ホワイトハウス内部でも政策路線を巡る亀裂の兆しが感知されているという。 世論の悪化を受け、トランプ大統領はこの日、NBCニュースのインタビューで「より柔軟なアプローチ(softer touch)が必要かもしれない」と述べ、トーンの調整に乗り出した。ホワイトハウスの国境・移民取り締まり総責任者であるトム・ホーマン氏もミネアポリスで記者会見を開き、該当地域から連邦捜査官700人を撤収させると発表した。 ただし、ミラー氏の影響力が弱まったと見るのは難しいという分析もある。WSJは「ミラー氏の影響力と大統領の信任は依然として堅固だ」とし、「強硬な移民政策による政治的負担にもかかわらず、ホワイトハウス内部の権力構造は大きく揺らいでいない」と評価した。実際にミラー氏は1日、トランプ大統領の最側近であるダン・スカビーノ大統領次席補佐官の結婚式に出席した。結婚式にはトランプ大統領だけでなく、マルコ・ルビオ国務長官やクリスティ・ノーム国土安全保障長官、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官、キャロライン・レビット大統領報道官ら、親トランプ派の人物が総出動した。

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