【台北=西見由章】台湾の台北地方法院(地裁)は26日、台北市長時代に商業ビル開発を巡り賄賂を受け取ったとして収賄などの罪に問われた台湾の第2野党「台湾民衆党」創設者の柯文哲(か・ぶんてつ)被告(66)に懲役17年、公民権剝奪6年の実刑判決を言い渡した。求刑は懲役計28年6月だった。 台湾の法律では懲役10年以上の有罪判決を受けた場合、判決が未確定でも総統選や地方の首長選に立候補できない。巧みな話術と個性的な人柄で若者から人気を集め、一時は台湾の二大政党政治に風穴を開けることが期待された柯氏の政治生命にとって大きなダメージとなる。 起訴状によると、柯氏は台北市長だった2020年以降、商業ビル開発を巡り企業側の依頼を受けて容積率を不正に引き上げ、企業に約121億台湾元(約600億円相当)の不正な利益を供与。見返りとして20~22年に企業側から計1710万台湾元の賄賂を得たとされる。 柯氏は24年8月末に逮捕されて以降、民主進歩党の頼清徳政権による「政治的な抹殺」「司法迫害」だとして潔白を主張。昨年9月に保釈保証金7千万台湾元を支払って保釈された際は「1年捜査しても(証拠は)何も出てこなかった」と述べ、改めて冤罪(えんざい)を訴えた。保釈後は民衆党の前主席として今年11月の統一地方選の立候補予定者を支援するなど政治活動を精力的に行っていた。 著名な外科医だった柯氏は台湾大教授を経て14年に台北市長選に無所属で出馬し当選、22年まで2期務めた。柯氏が19年に第3勢力として結成した民衆党は、二大政党の対立や格差社会に不満を持つ若年層の受け皿になった。24年1月の総統選では3位となり落選したが得票率は26・5%に上った。