<リブート 最終回>あまりにも切ない理由だった伊藤英明“真北”の裏切り

鈴木亮平が主演を務める日曜劇場「リブート」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系/TVerにて配信)の最終回となる第10話が3月29日に放送された。前回、早瀬(鈴木)が家族の元に帰る鍵だった真北(伊藤英明)の裏切りが発覚し、視聴者の間に衝撃が走った。最終回は、その真北の動向も大きな焦点となった。(以下、ネタバレを含みます) ■黒岩勉氏のオリジナル脚本で極限の家族愛と再生を描くサスペンス 本作の脚本を手掛けたのは、鈴木が主演した「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(2021年)ほか、「グランメゾン東京」(2019年)、「ラストマン-全盲の捜査官-」(2023年、全てTBS系)など日曜劇場枠での数々の話題作をはじめ、多彩な作品を生み出してきた黒岩勉氏。3年の構想を経た完全オリジナルで、極限の家族愛と再生を描く“エクストリームファミリーサスペンス”となる。 今回、鈴木が演じるのは身に覚えのない証拠で妻殺しの犯人として仕立て上げられた善良なパティシエ・早瀬陸と、裏社会組織ともつながっている警視庁捜査一課の悪徳刑事・儀堂歩。早瀬は、儀堂に顔を変えて生きるリブート(再起動)を提案され、真犯人を自らの手で見つけ出し、自身の潔白を証明するために決意した。第1話で顔を変える前の早瀬を松山ケンイチが演じたことが明かされて話題となったが、鈴木が中身は早瀬という難しい役どころを見せていく。 キャストはほかに、裏社会につながる会社の公認会計士を務めながら早瀬が儀堂になりかわる手伝いもした謎めいた幸後一香役を戸田恵梨香、一香が公認会計士をするゴーシックスコーポレーションの代表でありつつ裏社会で暗躍する合六亘役を北村有起哉、行き場のない若者への支援活動を行うNPO法人「しぇるたー」の職員にして合六の裏組織で実行役を務める冬橋航役を永瀬廉(King & Prince)、警視庁警務部の監察官・真北正親役を伊藤英明が演じる。 ■早瀬は合六を追い込んだ矢先、形勢逆転してしまう 一香にリブートしていた早瀬の妻・夏海(戸田・二役)とともに、家族を守るために合六を組織ごと潰す覚悟を決めた早瀬。それに欠かせない人物と考えていた真北は、“合六側”の人間だった…。前回描かれた衝撃の展開により、最終回は冒頭から固唾をのんで見守ることに。 冬橋が早瀬と手を組み、合六から組織を奪うことを決意。100億のありかを突き止めた早瀬と冬橋は、合六に夏海を解放し、組織から引退するよう命じた。“交渉”ではなく“命令”。100億の本当の持ち主である香港の組織の会長が知るところとなれば、合六も、合六の家族も無事では済まないのだ。冬橋は言う。「家族を守りたいなら、命令に従うしかない。これはあんたがずっとやってきたことだ」。 追い込まれた合六は、冬橋が“家族”として最も大切にするNPO法人「しぇるたー」で保護している子どもたちを狙うが、ひと足先に早瀬たちが助けていた。だが、早瀬の母・良子(原田美枝子)と息子・拓海(矢崎滉)、さらに2人の元に駆け付けた夏海が捕まってしまう。 形勢逆転。そこで早瀬が連絡したのが真北だった。ここで多くの視聴者がハッとしたことだろう。真北が合六側と明かしたのは夏海の前であり、別の場所で冬橋に捕らえられていた早瀬はそれを知らないのだ。 ■取引場所での真北登場で早瀬がピンチ 真北に連絡した早瀬は、100億を合六に渡すときに、真北の兄で、合六とつながる大物政治家・弥一(市川團十郎)を立ち会わせることを求め、日時を伝えた。合六もその条件を飲んだが、合六もまた早瀬とのやり取りをひっそりとスマホをとおして真北に知らせていた。 真北は弥一に会い、取引のことを伝える。弥一は「行くに決まってるだろ。国民が俺を推してるんだ。私にこの国のかじ取りを求めている。俺はそのためにはどんなに汚れたっていい」と返事した。野党第一党の党首である弥一は、合六からの闇献金で時期総理の座を狙っているのだ。 取引場所で、弥一から真北が自分の味方だと伝えられた早瀬。「お疲れ」と軽やかな口調で出てきた真北に、冬橋が銃を向ける。だが、「しぇるたー」の新しい代表となったアオイ(マーシュ彩)が捕らえられており、手が出せなくなる。 絶体絶命の文字が浮かぶハラハラした展開。その均衡を破ったのは、真北だった。合六の手下たちに囲まれながら、真北に視線を向けた早瀬が何かを感じて、目をつぶり、耳を手で押さえると、冬橋も同じようにした。それと同時に真北が閃光手りゅう弾を投げ、警察が突入してきた。 合六を捕まえた早瀬を出口に促してから、真北は弥一に「僕は兄さんの敵だった、というわけです」と明かした。弥一を逮捕する機会を狙っていたのは本当だったのだ。 ■真北が兄・弥一の逮捕を狙った本当の理由 ただ、その理由が悲しいものだった。12年前、真北の妻・葉月(小橋めぐみ)が起こしたひき逃げ事故で実際に運転していたのは弥一。弥一と不倫していた葉月は、真北の出世の目が絶たれることを分かっていながら、弥一をかばったのだ。 いまでも関係が続いていることに気付いている真北は、「不倫は犯罪ではないので裁けないから、時間をかけてこの瞬間をお膳立てしたというわけです」と明かした。そして、「兄さん、昔から大っ嫌いだったよ」と言い、弥一の腕に手錠をはめた。 “獲物”は大きいだけに慎重にならざるをえない。亡き儀堂をスパイに仕立てあげるなど張り巡らされていた裏切りの演技と、本当の裏切り。真北は味方なのか敵なのか、演じた伊藤英明は第1話から最終話まで一貫して危うさをはらんだ表現でドキドキさせられた。早瀬夫婦の物語のキーマンであり、自らの家族の問題に正義で決着をつける姿にしびれた。 自首して連行される夏海を、一香の妹・綾香(与田祐希)の病院に寄って会えるように部下に命じていた真北。その後、弥一が失脚してできた新内閣の引き立てで新潟県警本部長に就任することになったと早瀬に打ち明け、「こうやって世の中は回っています。金と権力がすべてを決めているということです」と語る。 しかし、「どうしてその話を僕に?」という早瀬の問いに、「負け惜しみ、かな。家族の幸せなんかより、もっとすごいことが世の中にはあるんだって、言ってやりたかったんですけどね。何でしょうね、幸せって」と言葉に詰まりながら言う姿は胸に迫った。 SNSには「信じてたよー」「やっぱり味方だった」と安どした感想とともに、正義の裏にあった家族の裏切りへの執念に「悲しい」「つらかったよな」という同情と、「幸せになって」の声が続いた。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部

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