ロベルト・デ・ゼルビ新監督の就任を発表したトッテナム・ホットスパーだが、一部のサポーターはこの人事に難色を示しているようだ。3月31日、『BBC』や『ガーディアン』など複数のイギリスメディアが伝えている。 残り7節となったプレミアリーグで17位に低迷し、降格圏の18位ウェストハムとわずか「1」ポイント差となっているトッテナム・ホットスパー。2026年に入ってからのリーグ戦で未勝利と極度の不振に陥る中、2月には昨年夏から指揮を執っていたトーマス・フランク元監督の解任に踏み切り、その後任となったイゴール・トゥドール前監督とはわずか43日で袂を分つこととなった。 今シーズン3人目の指揮官となったのは、かつてブライトンで日本代表FW三笘薫を指導したデ・ゼルビ監督。プレミアリーグ残留という至上命題を課せられたイタリア人は「クラブ首脳陣との話し合いの中で彼らの将来への野心は明確だった。偉大な成果を上げられるチームを作り上げ、サポーターを熱狂させ、感動させるようなサッカーを展開することだ。私はその野心に共感し、その実現のために全力を尽くすべく長期契約を結んだ」とコメントした。 しかし、一部のサポーターはデ・ゼルビ監督の就任を喜んでいないようだ。トッテナム・ホットスパーのサポーター団体である『トッテナム・ホットスパー・サポーターズ・トラスト』は新監督就任と同日に公式声明を発表。今回の人事に一定の理解を示しつつも懸念を表明している。 「プレミアリーグでの監督経験を持つ人材が限られていること、そしてスパーズが降格の危機に直面している中で迅速な対応が必要であることは理解できるが、今回の任命は深刻かつ広範囲にわたる懸念を引き起こしており、多くのファンがこの強い懸念を伝えるように求めている。我々は就任発表前にもクラブに対してこれらの懸念を直接伝えた」 報道によると、サポーター団体が懸念を表明している背景には、デ・ゼルビ監督がマルセイユ時代に取ったイングランド人FWメイソン・グリーンウッドへの対応があるという。同選手は2022年1月に恋人への強姦と暴行容疑で逮捕および起訴され、当時所属していたマンチェスター・ユナイテッドでの活動が停止に。最終的には起訴が取り下げられたものの、2023年9月にはヘタフェにレンタルで放出され、翌年夏にはマルセイユへ完全移籍で加入することとなった。 デ・ゼルビ監督は獲得正式発表以前から「何があったのかは知らないが、彼の私生活には関心がない。選手がクラブと契約した時、私はその選手を自分の息子だと思うし、公の場では守る」とグリーンウッドを擁護。また、昨年11月には「彼の人生で起こったことは悲しい。なぜなら、私が知っている彼は世間で語られている人物とはまったく違うからだ」と発言したと報じられている。こうした言動が一部のサポーターの反感を買っているようだ。 『トッテナム・ホットスパー・サポーターズ・トラスト』は「クラブはこれまで女性や少女に対する暴力行為に断固としえ立ち向かい、いかなる事件に直面しても誠実に行動し、クラブとしての価値観を堅持することを約束してきた」と前置きしつつ、デ・ゼルビ監督の過去の発言についての見解を次のように示している。 「デ・ゼルビ氏のグリーンウッドに関する発言は不必要かつ軽率で、多くのサポーターにとって非常に不快なものだった。そして、男性による暴力行為の被害者の方々を不安にさせたことは間違いない。このような発言が放置されれば、チームを支えるために力を合わせるべき時、サポーター間の分断を招きかねないと我々は考えている。チームがファンをもっとも必要としているまさにこの時期にこのような状況に陥ることは非常に憂慮すべきことだ」 また、『BBC』が報じたところによると、サポーター団体『ウィメン・オブ・ザ・レーン』の共同創設者であるアリ・スピーチリー氏もデ・ゼルビ新監督の就任に反対しており、試合観戦を注する旨を発表したという。